2012年4月12日木曜日

「技術起点型サイクルモデル」から「事業戦略起点型モデル」へ

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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15.(承前C Site2012-04-11)欧米の勝ち組企業は、スマホ(スマートフォ-ン)の製品単体だけでなく、ネットワークサービスと融合したビジネスモデルを形成し、競争力を強化している。(SANARI PATENT考察: スマテ、スマートテビで、わが国に先行普及中)。また、英国の半導体関連会社は、性能競争が盛んであった中で、独自に省電力プロセッサのアーキテクチャに特化、著作権を中心としたライセンスビジネスでデファクト化し(SANARI PATENT考察:「デファクト標準化」の意味)、携帯電話分野を制している。(SANARI PATENT考察:「制して」いても独占的ではなく、デファクト標準化は複数なされたし、改良特許による差別化は進んだ)。
16. 他方、わが国企業は、高い技術力を有し、製品開発はもとより、市場開拓や国際標準化を主導し、初期段階では圧倒的なシェアを確保しながら、すくなからぬ分野で、グローバル市場での大量普及ステージとなると、市場撤退への道を余儀なくされている。かって、わが国の電気・電子製品は、自動車と並んで、日本の貿易の中で大きな割合を占めていたものの、海外勢との価格競争に巻き込まれて競争力を失い、大手家電メーカーは苦境に立たされている。日本が「すり合わせ」に代表される技術によって優位を保ってきた製造業の分野では、グローバルなオープンイノベーションの進展により、競争力の低下にさらされており、更に、様々な他産業においても同様の状況が生ずることが予想される。
17. イノベーションモデル自体の変容と多様化が加速する中で、従来型の知財の創造、保護・権利化、活用で構成されている「技術起点型サイクルモデル」を踏まえながらも、同時に、この流れを逆回りに、事業戦略を出発点として、そのような戦略の実行を可能とする製品やサービスの設計、知財群を巧みに使いこなす知財マネジメントによる競争力のデザインからの出発が必要になっている。(SANARI PATENT考察: 内閣知財戦略本部が発案し、10余年間、踏襲してきた「創造・保護・権利化・活用サイクル」モデルの変容が検討課題となるに至った)(以下C Site2012-04-13)
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