2012年3月8日木曜日

キリンにおける協和発酵キリン、ビール業界ランキングにおける両社の地位




弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
協和発酵キリンの株主総会招集通知が届いた。この社名の印象では、著名な化学・医薬品製造企業の協和発酵とビールの協和発酵キリンを双翼とする大企業のようだが、キリンホールディングスの傘下に協和発酵キリンが存在して、旧協和発酵キリンと旧キリン医薬品部門が新協和発酵キリンを形成している。この統合もわが国の企業戦略として非常に注目されたが、その後のキリンとサントリーの統合計画およびその解消は、世界市場におけるわが国ビール企業のランキングに直結するため、更に大きな関心を集めたことは周知の通りである。
協和発酵キリンの今次報告では、2011-12期の同社売上高は3437億円で、キリンホールディングスのそれは2兆1100億円だから、単純に差額を協和発酵キリンのビール・飲料売上高として把握すれば、その売上高は1兆7663億円である。何故こういう数字にSANARI PATENTが拘るかと言えば、ビール業界についてはグローバルにランキングが好個の話題で、ノンアルコール飲料や特殊泡立ち容器まで含めて、ランキングが会社経営者にとっても投資家にとっても一般消費者にとっても、重大関心事だからである(キリン製品の多様化・引用写真↑)。
協和発酵キリンの方は、ジェネリック医薬品の使用促進、欧米製薬企業や専業大手の攻勢(SANARI PATENT考察:「専業大手」という言葉は、経営統合後に出現した用語で、その含意に注目)、国際的な新薬開発競争の激化など、引続き厳しい競争環境のもと、2011-04には英国Specialty PharmaであるProStrakan Groupの全株式を取得する一方、バイオケミカル分野については所要の選択集中を実行している。
翻って日経業界地図2012は、ビールの項において、売上高(2010)を、キリンHD2兆1778億円、サントリー1兆7424億円、アサヒGHD1兆4895億円、サッポロHD3892億円と併記し、キリンとサントリーが統合破談しなければ計3兆8872億円、販売量ベースで世界10位の協和発酵キリンが、協和発酵キリンサントリーとして世界上位に位置したであろうというを示唆しているが、食品・飲料という括りでは、キリンHD1兆5853億円で15位に登場。「孤高の三菱」という捉え方(BOSS誌2012-3)もあり(キリンも、日立と統合しない三菱重工も、三菱系という論旨)、多角的視点に立って、わが国産業の前途を方向付けるべきであろう。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム