2012年2月25日土曜日

「将来円安になっても容易に国内に戻ってこない」の「将来」が来たか?

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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新産業構造立案の経済産業省資料に「「将来円安にあっても容易に国内に戻ってこないおおれ」と題する章があったが、その「将来円安」が今、やって来たのか。これからの推移に俟つが、経済産業省の論旨(SANARI PATENT考察: 東大大学院・伊藤元重教授との合作と解する)は、「急激な円高により国内中核企業が海外シフトした場合、将来、円高が是正されたとしても、再び国内で、産業集積のメリットを取り戻すことは難しくなること」「例えば、阪神大震災時には、神戸市に集積していたケミカルシューズの生産拠点が他地域に移転し、大震災後も以前の水準を回復しなかった」と述べている。(SANARI PATENT考察:「国内移転の例を示しているので、なんとなく違和感があるが。)そして、「2015年以降、貿易赤字構造に転換するおそれ」と書き加えている。(SANARI PATENT考察:今次貿易赤字が構造的になるのか、すこぶる疑問。)
29. (承C Site2012-02-24) 貿易収支の対GDP比の低下傾向は、産業の中間投入における輸入物品の増加(素材・部品産業の空洞化=製造業の付加価値の低下)が原因の一つとして考えられる。円高による国内生産のコストダウン要請から、海外調達が拡大し、素材部品産業の空洞化が更に進行するおそれがある。
30. 原発が当面再稼働できない場合、2012-05まで火力発電比率が上昇し、火力代替に伴う燃料輸入の増加で、貿易赤字が定着する。
31. 空洞化によるマクロ経済への悪影響で、ISバランス(SANARI PATENT注: Investment Savings Balance)が2010年代後半に赤字化するおそれがある。
32. また、2020年頃に、日本国債の国内消化が限界に達するおそれがある。現在、国債等残高の75%を個人の金融資産が消化し、残り25%を政府部門・中央銀行・海外が消化している。2020年頃には、政府の債務残高の75%が個人の純金融資産を超過し、日本国債の国内消化が限界に達するおそれがある。
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