2012年2月6日月曜日

知財立国から知財救国へ! 弁政連の具体的挙例に要注目

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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弁政連(日本弁理士政治連盟)の「弁政連フォーラム」最新号が届いた。回顧的にも感慨深い記事満載だが、知財救国に向けて、政官民が広く精読すべき具体的事例の記事を先ず要約しておきたい。
1. 関西国際空港の4000m滑走路を含む2期工事の当初予算は1兆円だった。当時、関空は1期工事の返済も不随な状況で、2期工事コスト削減が必須だった。国際空港整備は通常国が管轄し全額国費負担である。従って、総受注元の大手ゼネコン業者あせ、あせは、入札で決定される。しかし、いずれの大手ゼネコン業者が落札しても、驚くことに、その下に入る下請け業者は、例えば電気設備であれば必ずT社と決まっている。すなわち、機器・部品レベルでは1社独占状態で、従ってT社は、わが社の製品が空港設備では規格品だと言い、古い技術のものを、空港会社に長年高いコストで供給し続けている。
2. ところが、コスト削減緊急の状況に陥って関空は、T社製品の採用を見合わせ、コスト削減に繋がる発明を自ら行い、特許権化も行った。また、地元業者を採用し、発明もさせながら特許技術による高事業を行い、従来より優れた発明品を業者に製造させながら、30%のコストダウンに成功し、2期工事は当初予算から3000億円も削減できた。
3. その後、羽田国際空港でも、4本目の滑走路と、新国際空港ビル建設予算として7000億円計上されたのに対して、関空は特許ライセンスの提供を羽田空港に申し入れたが、採用に至らず、予算7000億円を全額使い切った。関空の技術を使っておけば、おそらく5000億円で済んだはずで、2000億円の血税が、実質ムダに投入されてしまった。
佐成重範弁理士所見→現政権の「事業仕分け」の実質実効(財政支出の削減)に、国民が大きな疑念を抱き始めている。知的財産権活用の、上記のようなコスト削減効果を弁政連が明確に指摘し、国会議員等に配布し周知させたことは、誠に意義深い。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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