2012年2月1日水曜日

「蒲鉾」関連商標訴訟で特許庁審決を知財高裁が取消:特許庁長官が敗訴



弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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株式会社白樺蒲鉾店は、標準文字「海葉」で指定商品「蒲鉾、鰹節、寒天など限定列挙」の商標登録を出願したが(本願商標写真←)、拒絶査定されたので、特許庁に対して不服審判を請求したが、これも「請求不成立」と審決されたので、この審決の取消を知財高裁に訴求し、知財高裁は白樺蒲鉾店の請求を認容して、この特許庁審決を取消した(判決言渡2012-01-30 平成23行ケ10252審決取消請求事件)。
本件被告・特許庁長官の主張は要するに、既に登録されている株式会社・杉本利兵衛の商標「海陽」(引用商標写真→)と、指定商品は同様で、類似の商標であるから、商標登録を受けることができない商標に該当する、というものである。
知財高裁は、本願商標と引用商標は、それぞれを構成する漢字2文字のうち、「海」が共通するが、「葉」と「陽」の相違は大きいこと、本願商標からは「海草の葉っぱ」「海に浮いた葉っぱ」程度の観念が生ずるが、引用商標からは、「海に昇る太陽」「海に沈む太陽」程度の観念が生ずるから、観念において大きく異なること、称呼「カイヨウ」は、2文字の漢字のありふれた読みからくるもので、外観・観念の相違に比較すると識別力が弱く、外観と観念の相違が、称呼の票通を凌駕するものというべきであって、指定商品において共通のものがあるとしても、両商標は類似するものではないというべきである、と判示し、白樺蒲鉾店の請求を認容し、訴訟費用は特許庁長官の負担とすると判決した。
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