2012年1月26日木曜日

中国政府の「自主創新能力向上政策」における「原始創新」「集成創新」

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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TPPほかあらゆる政治外交経済政策において、中国への関心は高まる一方だが、知財政策についても、経済産業省産業構造審議会知的財産部会が知財政策について見解を示しており、その内容をここに要約して今後の指針としたい。
1. 中国は、「自主創新」の能力向上を国の方針としているが、その前提である現状認識は、
1-1 中国市場を外資に開放したが、国際的な民族系企業が輩出するに至っていない。
1-2 労賃上昇により、安価な労働力依存の低コスト競争は維持できない。
1-3 高技術力の外資企業が利益の大部分を享受している。
2 従って中国は、産業構造を労働集約型から知識集約型に転換し、国際競争力を高めるため、研究開発能力の向上を必須とする。自主創新の主体として企業を位置付け、財政・税制・金融等の支援を積極化する。特に研究開発費の対GDP比率を、2020年度までに2.5%とする。なお、中国・国家中長期科学技術発展規画綱要によれば、自主創新とは国家創新能力を増強することであり(佐成重範弁理士所見:創新は国家の能力だが、増強する主体は企業という意と解する。極めて適切な考え方である)、原始創新、集成創新、技術導入、その消化・吸収による再創新の強化をいう(SANARI PATENT所見:「原始創新」はいわば純発明、「集成創新」は、特許審査基準の「新たな組合せの発明」に見合っていると解する)。
3 中国国家知識産権局(SIPO)は、2015年の目標として、特許意匠の年間出願件数200万件(SANARI PATENT注:日本の約5倍)、中国人に対する特許権付与年間8万件(佐成重範弁理士所見:出願数とのバランスを欠いている。80万件のミス出力であろう)。
4 特許出願件数が増えただけでは、産業構造の転換に繋がらないから、特許権の産業化や譲渡、ライセンスを積極的に進め、知財を担保とする融資制度を整備する。(佐成重範弁理士所見:この項は、わが国でもおおいに考慮すべきである。)
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