2012年1月25日水曜日

次世代ネット社会の問題点をどう捉えるか

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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次世代ネット社会は、デジタル化・ネットワーク化が質量共に発達して形成されるが、その問題点をどのように捉えるか、内閣知財戦略本部の論点整理を考察する。
1. クラウドコンピューティングの発展に伴って、映像などコンテンツ通信量が増大し、海外や移動通信での視聴に、遅延やロスが生じているとの指摘があるが、コンテンツユ-ザ-の視点からは、その原因が明らかでないため、情報通信インフラに関する議論が噛み合わない。(SANARI PATENT考察: 光ファイバネットワークによって情報流通容量は画期的に増大し、いわゆるブラックファイバの活用が課題とされてきた。一方、遅延やロスの現象は確かに存在し、ネットワーク全体の均衡ある発達がなされていない、すなわち、隘路・不均衡の存在として認識すべきであろう)。
2. クラウド型サービスに海外プラットフォームが進出する一方、わが国では、クラウド型サービスが著作権侵害に該当するとされる場合があるなど、法的リスクの指摘もあり、新規ビジネスの創出を委縮させているとの指摘がある。また、コストやセキュリティなど、日本発クラウド型サービスを促進するために解決すべき課題が生じている。
3. 電子書籍交換フォーマットの策定など、電子書籍の市場形成に向けた基盤が整備されつつあるが、電子書籍をめぐる国内外の動向は加速しており、本格的な市場形成に向けての取組が求められる。(SANARI PATENT考察: 関係府庁の連携不足と見られているが、その解消こそ内閣知財戦略本部の本務であろう)。
従って、現在、次のように検討を進めるとしているが、今更、「すべきではないか」と疑問符で結ぶべき課題か、と言いたい。
(1) 情報通信インフラについて、コンテンツユ-ザ-の視点に立ち、遅延等の問題を見据え、更なる情報通信インフラの整備の在り方を検討すべきではないか。
(2) クラウド型サービスの法的リスク解消に向けた著作権法等の制度上の課題への対応をはじめ、コンテンツ強化の観点から、クラウド型サービスをめぐる情勢認識および今後の課題について整理し、必要な措置を講ずることが重要ではないか。
(3) 関係府庁が連携した取組について、国内外の最近の動向を踏まえ、新たな課題と工程を整理し、電子書籍市場の本格的な市場形成に向けた取組を加速化すべきではないか。
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