2011年12月16日金曜日

「当面の間」という新語?も出現したが、熟考の東電報告

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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東電の今次上半期報告が届いた。福島原発について経緯を明確に説明しており、今後わが国が原発技術輸出を推進するに際しての、世界他地域に例が少ない日本特有の立地基盤と共に、初期原発の構造に関する自然災害関連の技術的知見を世界最高レベルで日本電力業界が蓄積し、日本とは異なる自然基盤における原発建設への応用は、極限実証的な価値が高いものとして、国際業務上、周知させるべきものとの考え方も成り立つ。
翻って東電の今次上半期報告には、「東電は、創業以来最大の危機に直面しており、当面の間、無配とさせていただかざるを得ない状況にあります」と述べている。「当分の間」という言葉はあるが「当面の間」はおそらく、これが初めての東電創作新語となろう。電子辞書に「当分」は「招来のある時期までを漠然と表す語」とあるが、「当面」は「目の前に存在すること」だから、東電無配の継続期間が政策マター的課題である以上、「当面の間」という新語が適切であろう。
「経営責任の明確化のための方策」として、現任役員の報酬カット評のほかは、「総合特別事業計画」において結論を得る」としながら、その例示は、「役員の退任」で、現任役員の範囲にとどまろうとしているのか。大会社では、「役員在任中ことなく」が、表面糊塗に陥り易いのだから、在任中の安易な在り方の責任を、退職後も適切に追求すべきことは当然であり、その例示も加えるべきである。
「電力需給バランス確保」の項においても、大口需要者に対して「需給調整契約への加入」を、休止中火力運転再開や節電要請と共に例示強調するに留まっているが、大規模自家発から東電が充電するバランス方策についても、積極的に言及すべきであろう。
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