2011年12月7日水曜日

炭素繊維に関する最近特許庁公開技術の動向

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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最近ANAが米国から輸入した航空機の機体は東レ炭素繊維で機体構成されているが、グローバルに生産が活発化する電気自動車等のリチウム二次電池を始め、炭素繊維を構成要素とする関連発明など、この1週間(2011-11-30~12-06)だけでも、炭素繊維に関する発明の特許庁公開件数は17件を数え、炭素繊維関係公開件数総数は、1万6131件に達した。繊維強化プラスチックの分野では、ガラス繊維強化プラスチックと炭素繊維繊維強化プラスチックとの比較で、強度・比強度・熱伝動率・耐熱性の両者得失が顕著だが、複合材料の分野でも、炭素繊維の比重は関連発明によって著増するとSANARI PATENTは予測する。
当面、2011-12-01に特許庁公開された炭素繊維関係発明の事例としては(SANARI PATENT要約)、
1. 日立マクセルエナジー・発明の名称「リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池」は、高容量で、負荷特性および充電サイクルが良好なリチウム二次電池と、このリチウム二次電池を構成するためのリチウム二次電池正極を提供することを課題とし、解決手段として、正極に所定繊維径および所定重量比の炭素繊維を含有することを要素とする。
2. 東邦テナックス・発明の名称「耐炎化繊維束、炭素繊維束およびそれらの製造方法」は、ねじれ等の屈曲変形に対する強度に優れる炭素繊維および炭素繊維束の製造方法を提供する。
3. 東邦テナックス・発明の名称「補強用炭素繊維複合コードの製造方法」は、複合材料を構成するマトリックスとの接着性と共に、炭素繊維間の接着性が良好で、耐疲労性が優れた補強用炭素繊維複合コードの製造方法を提供する。
4. 住友化学・発明の名称「放熱部材およびこれからなる照明器具用部品」は、所定質量%の炭素繊維を組成要素として、溶融成形に適した流動性を維持しつつ、良好な熱伝導性を発現し、熱伝導性の異方性が小さくて軽い放熱部材およびこれからなる照明器具用部品を提供する。
5. 帝人・発明の名称「炭素繊維複合材料」は、熱可塑性樹脂をマトリクスとした炭素繊維複合材料成形を提供する。
6. 日本精工・発明の名称「車両用車軸軸受」は、炭素繊維を構成要素として、ブレーキング時の発熱の伝熱を抑え、耐久性に優れ、回転センサを備える場合には検出精度の低下のない、車両用車軸軸受を提供する。など。
佐成重範弁理士所見→ 炭素繊維とガラス繊維とは、宇宙空間で顕著に見るように、相互に非代替的な複合材料だが、日本の技術が優れた分野として、共進することが確実である。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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