2011年10月30日日曜日

製品の世界シェア低下でも、部材の世界シェアは圧倒的に

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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液晶テレビも太陽電池も、日本製品の世界シェアは著減しているが、これら世界製品の主要部材の世界シェアは、極めて高率な日本産品も多いから、総合すれば失意と意欲が混在する現況である。例えばクラレは、液晶パネル向けPoly-Vinyl-Alcohol樹脂堅調で、世界シェア8割と目されるから、液晶テレビの世界総需要の増大は、クラレの業績向上に直結し得ることになる。東レの炭素繊維世界首位、帝人の同世界2位は、相携えて世界航空機・電気自動車の構造材料として遍在し、日本シェアを維持向上すると予想される。
翻ってクラレの動向を見れば先日(2011-10-05)、「偏光フィルム向け光学用ポバールフィルム生産設備の増設について」と題し、「業界初! 5000mmクラスの広幅タイプを生産」「大型液晶テレビの効率的な生産に貢献」と副題して、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
(1) 液晶ディスプレイ市場は、液晶テレビの世界的な普及に伴い着実に成長し続け、特に40inch以上の大型液晶テレビは、今後大きな伸びが見込まれる。
(2) クラレが今回増設する新系列では、大型液晶テレビ向け偏光フィルムの生産効率向上のため、業界初となる5000mmクラスの広幅タイプの生産を実現する。
(3) 増設場所は愛媛県西条市で、年産能力3200万m2、2013-06始動予定である。
佐成重範弁理士所見→ クラレの特許発明開発は益々活発で、特許庁公開発明件数も9465件(2011-10-30現在)に達するが、うち、今月(2011-10)公開のもののみでも49件に及ぶ。例えば(SANARI PATENT要約)、
(1) 「高分子トランスデューサ、高分子固体電解質及びその製造方法」(特許庁公開日2011-10-27)→ 軽量かつ柔軟で、水の無い環境においても安定的に機能し、可撓的にも優れた高分子固体電解質を具備し、耐衝撃性に優れ、変形センサとして使用した場合、大きな電圧信号が得られる高分子トランスデューサを提供する(SANARI PATENT注: トランスデューサ(変換器)は、情報転送などの目的で、物理量やエネルギーの種類を電気信号や他種エネルギーに変換する機器)。
(2) 「高周波回路基板」(特許庁公開日2011-10-27)→ 高周波用途における電気信号の伝送損失を低減すると共に、熱可塑性液晶ポリマと金属箔回路との密着性が高い、高周波回路基板を提供する。
(3) 「高分子電解質、高分子電解質膜、膜・電極接合体および燃料電池」(特許庁公開日2011-10-27)→ 新規な高分子電解質、この高分子電解質から成る高分子電解質膜、この高分子電解質膜を備える膜・電極接合体、および、この膜・電極接合体を備える、出力特性。湿潤時機械的耐性を両立した燃料電池を提供する。など。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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