2011年6月24日金曜日

わが国システムインテグレータ最大手・NTTデータの方向性

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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NTTデータの今次総会(2011-06-21)報告は、山下 徹社長の「グローバルトップ5に向けて一気に加速」と題する挨拶で始まっているが、その内容(SANARI PATENT要約)は、
1. NTTデータの2011-03期業績は、連結子会社の拡大により、売上高は1兆1619億円に伸びた。
2. NTTデータは2013-03の海外売上高3000億円を目指し(2011-03期実績は1000億円)、米国Keane社およびIntelligroup社を子会社化して、世界のIT市場の約4割を占める米国において、総合的なITサービスを提供する体制を整えた。
3. 今後の課題は、急速に拡大するNTTデータグル-プのシナジーの最大化を追求することである。グル-プの力を結集して、グローバルトップ5に向けて一気に加速する。
「SI専業最大手」というのが会社四季報のNTTデータ代名詞だが、System Integratorという用語はNTTデータの今次報告に現れない。しかし上記3の「総合的ITサービス業者」とSIがイコールと解したのでは範囲が広汎に過ぎて、「グローバルトップ5」の具体名(今次報告に記載されていないが)も直ぐには思い浮かばない。
実は2011-03に、「システムインテグレーション登録制度の廃止」という行政措置があって、僅か1年9カ月前に創設されたこの制度が廃止されているのだが、創設に際して経済産業省は「システムインテグレーション」の内容をどう解していたのか顧みるべきである。同省商務情報政策局の解説(2009-09)を要約すれば、
(1) システムインテグレーションサービスは、情報システムの企画から構築・運用までに必要なサービスを一括して提供するものであり、21世紀においてわが国産業が国際競争力を発揮し、経済成長を実現する基盤となる。
(2) システムインテグレーションとは、情報化についてのノウハウを持たない企業等であっても安心して投資できるための前提となるものである。
(3) 産業活動における情報化は、補助的または定型的な分野から、企業の経営戦略の意思決定に関する分野へと、その適応領域を拡大している。
(4) 社会分野では、技術進歩により情報機器が廉価で提供されるようになり、情報のパーソナル化が進行すると共に、情報化が日常生活に浸透している。
(5) また情報産業に対する需要構造は、ユ-ザ-ニーズの変化と共に、質的に大きく変化しつつある。すなわち、単一業務に対応した情報システムから同一企業内の複数業務に対応する総合的システム、複数企業間・異業種間を結ぶネットワークに対する要請などである。
以下、この経済産業省解説はかなり長文でもあり、NTTデータの抱負との関連は別途考察する。
SANARI PATENT所見
「システムインテグレータ」としての活動をテレビ東京WBSで大きく広告しているのはオービック(東証1部)だが、会社四季報は「独立系SI」と特色付けている。NTTデータはNTT系で、独立系ではないということになろう。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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