2011年6月17日金曜日

日本触媒は電子情報材料を収益の柱に、新エネを次世代コア事業に

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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円高・原油価格上昇・海外石油化学大プラント始動の諸環境にもかかわらず、増収増益決算をもって国際競争力の優位を示している日本触媒は、今年に入ってからの特許庁公開発明数(2011-01-01~2011-06-16)も148件に及び、研究開発の方向性を示している。例えば、
1. 発明の名称「非水二次電池用水系電極組成物用バインダー」(特許庁公開日2011-06-16)→水系での使用が難しいといわれるリチウム塩を活物質として含みながら、非水二次電池用の正極としての性能を充分に発揮する正極を形成する水系の正極組成物を実現し、また、負極組成物にも好適に用いることができる水系電極組成物用バインダーを提供する。
2. 発明の名称「位相差フィルム」(特許庁公開日2011-06-16)→低分子化合物から成る位相差向上剤と、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂とを含む樹脂組成物から成る位相差フィルムであって、大きな位相差を実現できる位相差フィルムを提供する。
日本触媒の2011-03期売上高2883億4500万円(前期比18%増)の構成は、基礎化学品43.4%、機能性化学品49.1%、環境・触媒7.5%だが、高吸水性樹脂については、「円高の影響等により販売価格が低下したものの、需要が堅調に推移するなかで、生産能力を増強したことにより、販売数量を伸ばし、増収となりました」と今次報告に特筆している。(SANARI PATENT考察: 会社四季報には「紙おむつ向け高吸水性樹脂は姫路増設が通年寄与」「インドネシアの増設3万トンを9万トンにし、現47万トン体制を2015年に65万トンに増強すべく、アジアでの新立地模索」と特記されているが、中国・インド。アセアンなど30億人の人口の幼児・高齢者に、日本「おむつ」の快適性は極めて好評のようである。)
アクリル酸とアクリル酸エステルは、需要が堅調に推移し、大幅増販している。日本触媒はアクリル酸で世界3位(会社四季報)。
自動車触媒・プロセス触媒・燃料電池材料は大幅拡販、大幅増収している。
SANARI PATENT所見
日本触媒は新規事業として電子情報材料分野の光学材料用アクリル樹脂を中心とし、新エネルギー分野では燃料電池材料を中心として設備増強・拡販を進めるが、いずれも時流に適合し国際競争力も具備する有力分野と考える。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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