2011年6月20日月曜日

会社四季報のソニー評と文芸春秋の「さよなら!僕らのソニー」

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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ソニーの特色は会社四季報で「AV機器大手、海外でブランド力絶大、ゲーム・映画・金融等に多角化、生産は外部委託に移行中」と評されている。この評価と文春2011-05「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則氏)(以下「さよなら僕らのソニー論」)とはどのように整合または不整合なのか。
「さよなら僕らのソニー論」は、「技術者は韓国に流出、経営は米国グル-プに乗っ取られた。戦後復興と物作りの象徴だった日本のソニーはもういない」と副題されている。この副題は次のことを言おうとしている。
1. 日本の企業社会では経営のトップは社長であって会長ではない。米国では経営のトップはCEOであって、会長や社長の肩書は意味がない。2005-03にソニーの出井伸之会長と安藤国威社長と社内取締役7名が辞任し、ストリンガー氏が、ソニーグル-プ全体の最高責任者であるCEOに就任した。
2. ストリンガー氏は、独自技術依存の製品開発を否定し、標準規格(Open Technology)による製品の互換性を消費者は期待するとして、製品の価値を製品そのものにではなく、インターネットなどネットワークに繋ぐことによってもたらされるサービスやコンテンツの価値こそが製品に付加価値を与えるとする。従ってストリンガーCEOは、標準化され使い易く手ごろな価格を目標とし、工場を持たないメーカー、例えばパソコンのデルや液晶テレビのビジオなどを理想としているかも知れず、現にソニーは、製品の製造を外部のメーカーに委託する比率を50%まで高めると発表している。自社製造ではコストが高いから外部に任せるというなら、全製品を外部委託するのが合理的だから、これは「脱メーカー宣言」に等しい。
3. 出井氏は、ソニーの本業はエレクトロニクス事業で、エンタメやゲームなどはエレキを強化するものと位置づけていた。ストリンガーCEOは、コンテンツやネットワークビジネスなど広義のエンタメ事業を中心とし、エレキはエンタをエンハンスするものと位置付けると解する。
SANARI PATENT所見
日産がゴーン社長に経営を委ねても、日本の日産であり、ソニーの製造技術者多数がソニーを離れてサムスンなどの韓国・中国企業に吸収されているにしても、それらの行先外国企業から日本のソニーなど日本の市場がハード製品を調達し、ソニーのエンタメを購入するならば、ソニーの旧技術者は海外在籍で日本のGNP/GDPに寄与していると考える。会社四季報の評価は、大局的に適切である。一方、「僕らのqq」への郷愁も捨て難い。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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