2011年5月20日金曜日

中国4億人超インターネット人口(網民人口)の構成と特質

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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2010年7月時点で中国のインターネット人口(網民人口)は4億2000万人に達し、更に急増しつつある。
遠藤 誉氏著「ネット大国中国」は、このような中国ネット社会経済の現状と動向を把握するために極めて有益な著作であるが、ここには、網民に関する記述(SANARI PATENT要約)を考察する。
1. 「第27次中国インターネット発展状況統計報告」(2011-01発表)によれば、2010-12時点の網民の年齢構成は次のようになっている。10歳以下1.1%、10~19歳27.3%、20~29歳29.8%、30~39歳23.4%。
2. 中国で「80后」の本来の意味、すなわち、「1980年以降生まれ」と言えば、31歳以下だから、「30~39歳23.4%」の10分の1、すなわち2.3%を、10歳以上の比率に加えると、中国の網民のうち60.5%が80后であるが、90后(21歳以下)という言葉もその後できたので、これを除くと、90后の網民は1.1%+27.3%+6.0%=34.4%だから、狭義の80后網民は26.1%ということになる。(SANARI PATENT注: 上記はSANARI PATENTの計算を交えている)。
3. 中国の網民数は4億2000万人を超えて急増しているから、広義の80后網民は2億5400万人超、狭義の80后網民は1億1000万人超と概算される(同上)。
4. 80后は、改革開放と一人っ子政策というエポックメーキングな政策が始められて以降の世代である。その社会変動の中で育った80后の若者達は、それ以前の人達とは完全に異なるメンタリティを持つ「新人類」である。
5. 中華人民共和国誕生以来、金儲けは資本主義による精神的毒とされたが、改革開放によって、それが奨励されることになったと共に、一人っ子政策による子育てに、全ての収入が投入され、1990年代には「小皇帝」「小皇女」という流行語で呼ばれる、利己的で忍耐力は強くないが情報量は圧倒的に多く、家庭内での決定権を握る世代が形成された。
6. また、この世代は、1981年に「鉄腕アトム」が中国大陸に上陸した後に育った世代で、自由で愛があり夢がある日本動漫(アニメ)は忽ち一人っ子達を虜にしてしまった。
7. 彼らは、政府からのトップダウンによる一方向的な思考回路ではなく、世界各国から発信される様々な情報の中で培われた、バライエティに富む価値観とボトムアップの精神を持つ。
SANARI PATENT所見
上記要約は「80后網民」の積極的側面だが、「蟻族」と呼ばれる就職難大卒など、社会問題を包蔵する世代でもある。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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