2011年5月17日火曜日

発明者・発見者の年齢:科学史年表所感(1)

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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小山慶太氏著「科学史年表」の増補版が発刊(2011-02-25)されたことは、科学と歴史の関わりを改めて考える貴重な資料の提供であるが、関連して様々な想いが浮かんで来る。
20世紀の年表が1901年「ノーベル賞の授賞が始まる」を筆頭としているが、著者は、「民族主義・国家主義の強い19世期末において、ノーベルが、国籍にも一切関係なく、広く国際的視野に立って、優れた人物を顕彰すべきことを遺言した」と特に強調し、受賞年齢を見ても、1915年に「X線結晶構造解析確立」によってノーベル物理学賞を贈られたローレンス・ブラッグが25歳だったこと」を特記している。その後1915年の記事に、「幻のノーベル賞、モーズリーの死」と題して、「特性X線に関する分光学」でノーベル物理学賞を予定されていたモーズリーも当時27歳だったが、この年8月、英国の通信将校となったモーズリーは、第一次世界大戦で最大の激戦地トルコのガリポリ半島で戦死してしまった。1925年に、モーズリーが開拓したX線分光学の分野でスウェーデンのシーグバーンがノーベル物理学賞を受賞したが、このとき授賞式で挨拶した選考委員長は、モーズリーはノーベル賞を贈られないまま、戦死してしまったと、その死を改めて悼んだが、亡くなった科学者についてここまで言及するのは、ノーベル賞の歴史でも極めて異例だ」と述べているが、SANARI PATENTは、わが国の文化功労章ないし文化勲章授賞の対象者年齢と考え合わせても見るのである。
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