2011年1月18日火曜日

東大発バイオベンチャーECIの損失減少

弁理士 佐成 重範   ケータイ検索 SANARI PATENT
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大学発ベンチャーは内閣知財戦略本部の知財計画において起動力として位置づけられてきたから、特に東大発、また先端成長分野のバイオ事業ベンチャーとして株式会社ECIが注目されてきたのは当然である。会社四季報は、ECIの特色について「東京大学発のバイオベンチャー、総合美容事業は撤退し、創薬事業で再建目指す。機器販売も」と述べ、「蛍光細胞動態解析装置は大手病院の予算見直しで苦戦。中国向け輸出開始で挽回狙う。中国企業(SANARI PATENT注:「中稷社」と解する)からの癌治療薬契約金10億円は上期納入されず、業績流動的」と評し、更に、「韓国・インド企業との提携協議は長期化」などの状況から営業赤字継続を危惧している。
ECIの上半期(2010-06-01~2010-11-30)報告(2011-01-14)においては、「これまで業績予想の売上高に含めていた中稷社との癌治療薬ライセンスアウト契約一時金の10億円は、度重なる中稷社の送金約束の不履行を踏まえ、当期連結業績予想から、この契約一時金を除外することとした」旨を述べると共に、「しかしながら中国において、新たな製薬会社との契約交渉を開始していることや、韓国においても契約交渉が進んでいることなど、当期中に契約一時金を計上できる可能性もある」と付記している。
SANARI PATENT所見
中国における契約について、このような齟齬を来した事例は他業種にも見られ、事業風土の相違を感ずる場合も多い。韓国ではライセンス契約と治験の共同開発、韓国政府の財政支援による山学共同プロジェクトへの共同参加など包括契約、更には、日米欧の製薬会社とのグローバルな契約を目指しているので、期待をもって成果を見守りたい。
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