2010年12月12日日曜日

TOPPANの今次事業報告に見る印刷業界の変容

弁理士 佐成 重範   ケータイ検索 SANARI PATENT
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凸版印刷株式会社TOPPANの上半期報告が届いたが、大日本印刷と共に「印刷業界の二強」と呼ばれるTOPPANは、売上高7628億円で前年同期比5.5%増、営業利益は156億円で前年同期の2.1倍に達し、「新たな収益モデルの早期確立」に歩を進めている。
しかしTOPPANのセグメント別報告を見ても、情報・ネットワーク系事業、生活環境系事業、エレクトロニクス系事業と分画され、紙印刷を想起する「印刷」の文字はない。報告内容においても、「通帳や商品券などの有価証券が好調に推移し」とあるものの、「商業印刷関連は、チラシやパンフレット、通販カタログは前年より減少」、「出版印刷関連は、雑誌・書籍ともに前年より減少」、「ビジネスフォーム関連は、ビジネスフォームが微増の一方、データプリントサービスは、前年を下回った」とあって、総じて紙印刷の減少傾向が認識される。
一方、情報・ネットワーク系事業においては、
(1) ICカードはCashless CardやDigital放送向け受注が好調
(2) POP(SANARI PATENT注:Point of Purchase Advertising:キャラクターなどによる店頭広告)は好調に推移し、エコポイント関連の業務受託ビジネスも拡大した。
(3) 電子チラシサイトは事業基盤が更に強化された。
(4) Digital Contents流通サービスは、順調に拡大した。
生活環境系事業においては、
(1) 紙製飲料缶が、触感訴求の新製品受注増した。
(2) 高機能バリアフィルムが堅調に推移した。
(3) 太陽電池バックシートが伸長した。
(4) 建装材関連で、エコシートなどの環境配慮型製品が伸長し、欧米向け受注も順調に推移した。
エレクトロニクス系事業については、
(1) 半導体関連のフォトマスクが、国内外とも好調に推移した。
(2) ディスプレイ関連のカラーフィルタが、スマートフォンなどの需要拡大による中小型サイズを中心に順調に推移した。
(3) 反射防止フィルムは、液晶テレビ向け中心に需要が拡大し、順調に推移した。
(4) プリント配線板は、産業用電子機器、通信機器向けに需要が拡大し、堅調に推移した。
SANARI PATENT所見
書籍等出版においても、電子出版が増加し、電子工業の中核として在来印刷業界が変容していく局面を想定し、経済戦略・知財戦略を刷新すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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