2010年12月11日土曜日

人材育成におけるDevelopmental Disorders

弁理士 佐成 重範   ケータイ検索 SANARI PATENT
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人材の育成は知財立国の柱だが、ITの高度かつ普遍的な機能が、作用のさせ方を誤れば、子供の発達障害を来すという趣旨を、新刊の「電子メディアは子どもの脳を破壊するか」(講談社)(R Site12-10ご参照)は述べていると解する。しかしこの著作はむしろ、知財人材と呼ばれるべき人達、更には社会人たる大人達にも、医学用語の発達障害が存在することを示唆していると、SANARI PATENTは類推する。従って先ず、上掲書を若干抜粋する。
1. 広汎性発達障害とは、コミュニケーション(意思の疎通)の障害、社会性の障害、社会的な想像性の障害の三つの特性を示す障害を言う。「特定不能の広汎性発達障害」とは、この3つの障害の一部のみが軽度に出現する場合を言う。
2. コミュニケーションの障害とは、相手に自分の意向をうまく伝えられない、あるいは、相手の意思を正しく受け取れないことを言う。電子メディアに過度さらされたが故のコミュニケーション障害がある。
3. 現代の環境要因、すなわち映像メディアへの不断の情報曝露によって歪み偏った認知思考特性が、乳幼児期の脳というコンピュータハードに、新しいタイプのOS(Operating System)としてinstallされてしまう。High Visionによる視覚系優位の情報によって「知識」が一方的に流入し、想像力の欠乏、抽象的概念の構成能力が欠乏する。
4. 潜在的に発達障害のある子供が成人になる過程および成人後に、神経症や鬱病を生じ易い。
5. 自己管理が未熟な子供に、個室を与え、デジタル機器を無制限に買い与え、目と指だけを使って異常に興奮する反応に委ねると、興奮性神経系が抑制性神経系を上回って発達する。
6. Virtual Realityの世界に慣れ親しんでいると、米国の9-11事件のように、あり得ないようなことが実際に起こったときに、それを正確・迅速に認識して判断することができなくなる。
SANARI PATENT所見
金沢治医師は、独創的学説が世界に顕著な京都大学医学部出身で、この著作も米国等の学説を引用しつつ、独自の見解を展開している。従って、「――ではないか」「――とも考えられる」という非断定的な記述が多いが、上記抜粋引用では、簡潔に警告的表現とした。要するに、Real社会とDigital社会との調和ある接触を、子供の時から心掛けないと、成長、成人後に、社会人として、更には知財専門家としても、知識に偏した、「意思疎通等障害人」を輩出しかねないという結論である。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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