2010年12月13日月曜日

「アートのデジタル化」を立ち上げたCASIO

弁理士 佐成 重範   ケータイ検索 SANARI PATENT
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CASIOの中間報告が届いた。経営改革と事業強化により黒字基調を回復し、新たな成長に向けて確実な一歩を踏み出したとしている。上半期売上高の微減は、連結対象の異同によるもので、時計や電子辞書などは引続き高収益を緯持し、全体が黒字化した。
新規時の具体的展開として樫尾和雄社長は「アートのデジタル化」について次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. これまでもCASIOは、電卓・時計・電子楽器・デジタルカメラなど分野を、デジタル技術だ革新してきたが今、挑んでいるのが「アートのデジタル化」という新たなコンセプトである。
2. ハイスピード技術を活かして芸術的な写真を撮影するHDRアート機能(SANARI PATENT注: HDRは、High Dynamic Range Imaging: 被写体に対する露光明暗差を異にする複数撮影の合成により動的・絵画的・芸術的映像を得る手法)を備えたデジタルカメラや、撮影した写真を絵画調に変換できるフォトプリンタなど、特別な技術がなくても誰でも、絵やアートを気軽に楽しめる画期的な提案により、新しい市場を開拓する。(SANARI PATENT考察: 既に類似技術が公開されているが、CASIOの、より高度な技術が希求されることとなる)。
3. 画像は、見るだけでなく、プリントして人に見せたり、様々な形でアウトプットしてこそ楽しめる。お互いに連携する多採なアウトプットのサービスを新規事業として立ち上げ、早期の業績貢献を目指す。
その他の事業として注目されるのは、
1. 時計事業
1-1 アジアで好調なブランド「SHEEN」を国内でも投入し、女性向けメタルアナログウオッチ市場で拡販する。
1-2 耐久性に優れた強靭バンドの「S-SHOCK」は、時計本体の耐衝撃性能に加えて、バンドに炭素繊維を封入して耐久性を高めた、世界6局の標準電波に対応し、引続き世界各地で「Shock the World」イベントを開催し、グローバルブランドとして確立する。
1-3 モータースポーツなどで使われる「EDIFICE」は、1/1000秒計測が可能であり、グローバルブランドとして確立する。
2. 電子辞書は、カラー図面を活かして、中国で拡販する。
3. インド式桁表示(千の位で区切った後、十万、千万と2桁ずつ区切りを入れる)と、3桁づつ区切る桁表示の切り替えを可能にした電卓「MJ-120D」を発売した(2010-08)。
SANARI PATENT所見
上記新規事業のいずれにも、グローバル市場指向と、中国・インドなどの巨大新興国市場展開が実践され、CASIOの国際的ブランド価値を高めると考える。特にインド式桁表示は、ソフトウェア人材に富み、日本の公文式数学塾も発達したインドにおいて、拡販効果が期待される。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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