2010年12月25日土曜日

百貨店11月売上高実績の前年同期比微減と革新構想

弁理士 佐成 重範   ケータイ検索 SANARI PATENT
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小売業界地図で百貨店の売上高は関心の的だが、2101-11の全国91社261店舗の売上高総額は5556億円、昨年11月からマイナス0.5%と、百貨店協会は発表した。総従業員数は9万3570人で前年同月比6.2%減と示しているが、店頭店員の減少数と合致しているのか、良く分からない。同協会は、基調を示す3か月移動平均はマイナス1%台まで水準を戻したこと、前年11月より日曜日が1日少なかったこと、おせち料理やクリスマスケーキの受注は好調だったこと(SANARI PATENT考察: クリスマスケーキの高価格品が売れたようだが、レストランから家庭内に移行し、若干の節約疲れも加味されている) 、化粧品が2年ぶりにプラスだったこと、家庭回帰志向で家庭用品が好調のことなどを述べている。
なお、2005年の全国百貨店の売上高7兆8415億円に対して2009年は6兆4784億円で、17.5%減であった。
とにかく、百貨店の経営理念の革新が必要と、SANARI PATENTは論じてきたが、伊藤忠ファッションシステム・マーケティングマネージャ川島蓉子氏著「モノ・コトづくりのデザイン」は、西武池袋本店の実例によって、「編集セレクト」を新コンセプトとして提起しているが、今後の成果が注目される。その内容(SANARI PATENT要約)は、
1. 1980年代以降に生まれ、豊かな消費社会で育った層にとって、百貨店は豊かさを象徴する場ではなくなった。今の10代、20代には、ショッピングの場として百貨店が、選択肢にさえ入らない人がいる。
2. 今の消費者は、単体としてのモノではなく、それを「組合せて見せるシーン=コト」に魅力を感じている。
3. しかし、百貨店の通例では、例えば和ものと洋もの、和食器と洋食器は必ずコーナー分けされ、テーブルやソファなど「脚もの」と箪笥やチェストなど「箱もの」は別部署が別場所に陳列している。
4. 西武池袋店は先ず「インテリア」という概念で、家具と雑貨を一緒に揃えることで、垣根を超えた品揃えを行い、一つのシ-ンを展開した。
SANARI PATENT所見
生活のシーンという視点で、和物・洋物、脚物・箱物などを一緒に配置するデザインは、シーンの演出であり、「コトのデザイン」であり、「編集」という、百貨店の新機能を喚起する提示として、高く評価すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)     

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