2010年10月24日日曜日

Realizing the Possibility of Induced Pluripotent Stem Cells

 iPS細胞の実用に至る過程と課題
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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知財立国の柱として、iPS細胞による再生医療の実用化が、内閣知財戦略本部の知財計画にも強調されてから既に4年余を経過したが、現時点でその状況はどのように成っているのか、思いがけず、畑違いとも見える文芸春秋誌上(2010-08)に山中伸弥教授と立花隆氏の対談が掲載されて、最も基本的な知識を学習し直す機会が一般向けに提供されたので、要点を摘記しておく。
(1) 万能性か多能性か→ 4年余り前に山中伸弥教授グル-プによるiPS作成が発表されて以来、マスコミはこれを「万能細胞」と呼び、上記文芸春秋も「ノーベル賞級学者が語る、万能細胞と再生医療の未来」と副題されている。SANARI PATENTは当時から、iPS細胞のフルネーム、すなわち、Induced Pluripotent Stem Cellsの「pluri」から、「人工多能性細胞」と呼んでいたが、フルネームとしては「誘導多能性幹細胞」が正しい。
(2) 山中教授は、上記記事において「万能」ではなく「多能」であることを次のように説明している(SANARI PATENT要約)。「理論上、iPS細胞からは体のあらゆる細胞を作ることができるが、栄養外胚葉だけは作れないので、単独では生命を生み出せません。これが受精卵との大きな違いです。ですからiPS細胞は、「万能細胞」ではなく、より正確には、「多能性」細胞と呼ばれています。」
(3) 分化細胞から未分化細胞に→ 立花氏の質問「山中先生達は最初に、皮膚の細胞からiPS細胞を作られましたが、その後の研究によって、血液からでもできることが既に分かっています。一つの細胞が脳とか心臓、肝臓、筋肉など、ある役割を持った細胞に変化していく過程、すなわち分化について、(iPS細胞を作る元となる)皮膚も血液も完全に分化してしまった細胞ですね。それがiPS細胞になると未分化な状態に戻るわけですから、細胞レベルのタイムマシーンを発明したと言っていい。」(SANARI PATENT考察:「iPS細胞」作成の特許性を簡明に表現して、秀逸である。) 
(4) 山中教授「それは専門的には、初期化とかリプログラミングと言います。」
(以下10-25)
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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