2010年10月25日月曜日

Patentability of the Induced Pluripotent Stem Cells Relating Inventions

 誘導多能性幹細胞関係発明の特許性
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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通称「iPS万能細胞」をめぐって各国特許競争への対処に官民が色めいた一時があったが、先ずiPS、すなわち、誘導多能性幹細(SANARI PATENT考察: もっと正確には、「ヒト体細胞由来誘導多能性幹細」)の本質について官民ともに理解を深めるべきである。従って、2010-10-23記事を続ける。
(1) 立花氏「本来、細胞には分裂回数の限界がある。DNAの端にテロメアという尾のような部分があって、分裂を繰り返す度にそれが短くなり、テロメアの残りが無くなると分裂は終了する。その細胞が老化の果てまで生きたということで、あとは死ぬほかない。しかしiPSやES細胞(SANARI PATENT注: 受精卵から作った胚幹細胞)では、このテロミアの長さが元に戻っているのですね。」 山中教授「はい、これまでに、81歳。30歳、6歳の方の皮膚細胞からiPSを作っています。(SANARI PATENT考察: 原文に「iPS細胞」とあるが、iPSには「細胞」の語が含まれているから、「細胞」を付する必要はない。)当然ながら、6歳の子のテロメアが最も長く、81歳の方のテロメアは非常に短くなっている。ところが、その細胞をiPS細胞にすると、テロメアが赤ちゃんの状態に戻ります。」 立花氏「それは驚きですね(SANARI PATENT考察: 特許性用語で言えば「非想到容易性」)。古代から若返りの薬の入手は人類の夢でしたが、細胞レベルで先ず、それが実現できたことになる。」
(2)  iPS活用への現段階→ 立花氏「患者さん自身を人体実験することはできないけれども、患者さんの細胞レベルの「分身」を使うとことにより、いくらでも野心的な実験ができますね。」山中教授「そうなんです・もちろん、あくまで細胞ですから、個体とは違います。ただ、患者さんの細胞の時間の針を戻してiPS細胞にし、それを体外で培養できる利点は大きい。」
(3) 日米の差→ 山中教授「iPS細胞はツールなのです。ツールとしての普及が、日本は遅れていることに、僕は強い危機感を持っています。」 
SANARI PATENT所見
上記のほか多くの重要な対話がなされているが、iPS細胞の癌原性可能性のように、かって問題とされた事項の解決について言及される時間を欠いたことは惜しまれる。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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