2010年10月12日火曜日

From Money Stopping to Money Flooding

 マネーが止まった状態からマネーが溢れた状態へ
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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貴重な著作であるのに「積読」(つんどく)状態で過ごした田中直毅氏の「マネーが止まった」を再読した。2008-12-23第一刷発行で、その時点における極めて明快な判断が惜しみなく吐露されていて、現時点の貴重な参考意見である。
最近、円高利用もあって、M and Aによる海外企業の買収が活発だが、2008年末の時点ではM and Aを田中直毅氏はどのように評価しておられたか(SANARI PATENT要約)。
(1) Lehman Shockに伴う欧米金融機関の経営不振→「マネーが止まる」で、日本の金融機関は漁夫の利を得るのではないかという仮説が拡がっている。
(2) その根底には、「マネーが止まる」状況では「キャッシュは王様」であり、日本の家計の金融資産では現預金比率が高いので、日本の銀行には安定した預金が張り付いており、経営上の優位性が高まったはず」という見解がある。
(3) 例えば、Morgan Stanleyに20%程度の出資をした三菱東京UFJ銀行、Lehman Brothersの欧州・アジア・中東関連人材を吸収した野村証券の取組が、グローバルな経済回復の将来図に沿うことが期待される。
(4) 今後の日本における金融活動は、裁定取引を通じて金融資本内部の歪みを是正し、効率市場をつくるという金融工学の関心領域とは、ある程度距離を保ちつつ、実物経済における資源配分の新たな仕組みを構築すべきである。
(5) 例えば、投資銀行業務の中でもM and AやLeveraged Buy-Outという手法はは、実物経済に極めて大きな影響を与える。
SANARI PATENT所見
田中直毅氏は、上掲ご著作においては、「M and Aとは、従来の事業を大幅に内部革新するに足る技術基盤や営業基盤、あるいは人材を保有した企業の買収によって、新たな実物的投資の展開に繋げる手法である」と評価しておられるが、「大幅に内部革新する」という程度に至らない、むしろ在来の企業風土に影響することなく、相手方企業の知財権・営業基盤を包括取得する複数のM and A
の集積が、社内または連携Open Innovationよりも迅速に、円高メリットを活かしつつ実物的投資に資金を活用する適切な方法と、SANARI PATENTは考える。
(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

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