2010年6月7日月曜日

Japanese Economy Growth to be Realized by Innovation Oriented Patents 

特許制度改正におけるイノベーション指向とオープンイノベーション
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 新内閣が発足するが、菅直人総理大臣が東京工大卒業後、弁理士の職に在った経歴を伝えるマスコミが見当たらなかったのは残念だった。弁理士試験は法律科目が非常に難関で、これに合格したことは、菅直人総理大臣の法理論素養も確かなものと信頼できるからである。経済成長実現のため、適切な特許振興対策も打ち出されると考える。
 適切な特許振興はどういう内容であるべきか。特許庁の研究会でも精細に議論しているが、先ず重要なことは、イノベーション指向の特許ということである。リーマンショックも、今次ギリシャショックも、金融・財政の流れにおいて企業の科学技術信奉にみでは、如何とも対応できないことを明示した。これらのショックから経済成長へと歩み出すためには、単なる科学進歩の発明や特許ではなく、イノベーション直結の発明や特許であることが期待される。
 実はこの「イノベーション」という用語も、単に「技術革新」と同義とされてきたが、これでは現段階の経済に即応しない。そこで「イノベーションとは、技術の革新にとどまらず、これまでとは全く違った新たな考え方、仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと」であると、ようやく明確に認識されるようになった。特許制度の改正も、この認識に立脚することが必要である。
 日米の特許法を対比すると、日本の特許法は「科学的進歩性」が特許性の核心であり、従来の技術以上の科学的進歩を示すことが特許付与の要件とされてきた。「産業上利用可能性」の要件は、科学的実現の可能性、および「産業」としての利用可能性を意味し、例えば多くの医療関連発明は、医療が「産業」ではないという理由で特許付与対象からはずされてきた。
 米国の特許法が日本のそれと異なるのは先ず、特許対象の「発明」について、日本特許法は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と限定しているのに対して、米国特許法は、「自然利用」に限定せず、従って、ビジネス方法特許やプログラム特許も先行した。医療用の発明を特許対象から除外する規定もない。そして米国特許法第101条は、「新規で有用なプロセス、機械、製品、組成物、またはそれらの新規で有用な改良を発明または発見したものは、特許法の定めにより特許を受けることができる」と定め、「有用性」を特許要件とし、「新規性」についても、「商業的成功」、すなわち、他人が気がつかないのにその発明実施で商業的に成功したことを、特許付与の一つの配慮要件として審査基準に定めている。イノベーション直結性は、米国特許法が優れているとSANARI PATENTは考える。このような特許権の利点を共有するのがオープンイノベーションである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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