2010年6月5日土曜日

In Southeast Asia, INABATA Expands the Scope of Plastics and Chemicals Business 

稲畑産業は東南アジアで自動車関連の事業拡大
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 稲畑産業(東証1部)の今次事業報告(2009-04-01~2010-03-31)が届いた。稲畑産業は住友化学系の化学専門商社であり、内外の景気動向がその業績に反映する状況に関心が持たれる。2010-03月期は、稲畑産業主力の情報電子事業や合成樹脂事業を中心に回復基調となったものの、連結売上高は4107億8200万円で、対前期比7,2%現だが、利益率の改善と経費の削減が奏効して、営業利益は56億1000万円に、54,1%の著増を示している。部門別にその趨勢を見ると、
(1) 情報電子事業は、各国の景気刺激策が奏効し、液晶TV市場が大幅回復して、液晶関連を中心に伸長した。特に偏向板とその原料が好調に推移し、円高の進捗のもとで国内メーカー向け各種輸入部材も拡販した。
(2) プリンタ・複写機関連は、カラーコピー使用量の減少による低迷から、回復基調に転じ、特に産業用インクジェット分野が拡販した。
(3) 太陽電池関連は、新規商材が開拓された。
(4) 半導体関連は、パソコン、ケータイ、自動車分野が回復したが、マスクブランクス等の電子材料は、競争激化で価格低落した(SANARI PATENT注: マスクブランクスはガラス基板上に遮光性薄膜を形成した電子材料で、この薄膜えおエッチングして回路パターンを形成する)。
(5) 中国を中心としてフラットパネルディスプレイ関連の大型エネルギーツビ投資が再開され、稲畑産業の真空装置が大幅伸長した。
(6) ライフサイエンス関連は、新薬・ジェネリック向け中間体が概ね順調だった。
(7) 機能化学品中、シリコーン樹脂は伸長した。
(8) 新型インフルエンザ関連商品が好調であった。
(9) 高機能樹脂は、中国向けを始め東南アジア向け輸出が好調だった。
(10) 食品事業は、回転寿司向け水産物が堅調だった。
上記を海外地域別に見ると、
(1) 香港・華南では家電製品・液晶向けを中心に情報家電部門の販売が堅調に推移した。
(2) 華東も、中国国内関連の情報電子部門が順調で、化学品関連の製造拠点が軌道に乗り始めた。
(3) 華北も、年度後半に回復した。
(4) 韓国は、液晶関連が順調だった。
(5) シンガポールでは、インド向け樹脂など輸出関連が伸長した。
(6) インドネシアでは、自動車・オートバイ向け合成樹脂販売が堅調だった。
(7) フィリッピンでは合成樹脂の販売が回復した。
(8) マレーシア・ベトナムでは、合成樹脂が年度後半に回復に向かった。
(9) 米国・カナダでは、複写機・プリンタ業界に回復が見られ、太陽電池など新ビジネスに取組んだ。化学品の中間体や機能化学品が順調だった。食品関係でフルーツを拡販した。
(10) メキシコで液晶テレビ関連部材の製造工場の事業再編に取組んだ。
(11) ポーランドの液晶パネル材料が大きく拡販した。
(12) ドイツ・フランスで、太陽電池・半導体関連は、価格競争激化と円高で苦戦した。
(13) フランスでは、ファインケミカル関係が、印刷・化粧品・医薬品の原料について価格下落の影響を受けた。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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