2010年5月31日月曜日

Diversity, Specialty and Possibility of Chinese Market 

中国市場の多様性、特殊性、可能性:: レナウンの場合
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 中国市場との取組は全企業の課題だが、生活者・消費者として全国民の課題でもある。ここで「全」というのは日本だけでなく、全世界が取組みつつあるという意味である。
 レナウンが山東如意科技集団と資本技術提携(「レナウンが中国企業からの資本注入で経営危機を切り抜ける」と表現するマスコミもあった)が、日本企業の中国市場における新たな在り方を示唆したが、山東如意科技集団の会長が朝日新聞の単独インタビュー(2010-05-29)に応じて、中国側からの所見を示しているので、先ずそれを摘記・考察する。
(1) 財務・市場開拓など四つのプロジェクトチームをレナウン・山東如意の双方が立ち上げ、既に3回の会合を重ねており、レナウンは、今後5年間の新経営計画を2010-06末までに策定する。
(2) 「シンプルライフ」などのレナウンブランドを中国市場で展開する具体策を策定する。
(3) 山東如意はレナウン株の4割を保有して傘下に置くが、提携の検討開始(2009-11)から半年で合意に至ったのは、高級衣料品の戦略などで、レナウンと一致する 点や補い合う点が多かったからだ。
(4) 山東如意は生地の技術でリードしており、山東如意は強力なデザイン力と流行を捉える力を持っている。
(5) 繊維メーカーから総合衣料品グル-プへの飛躍を目指す山東如意にとって、レナウンの商品企画力は欠かせない。
(6) レナウン再建の課題は、「多すぎるブランドの整理」と「中国市場の開拓」である。
(7) 今まで、レナウンの大株主が頻繁に変わり、その多くが短期的利益を求める投資ファンドだったことが難点であったが、今後は、山東如意とレナウンは兄弟のような関係で、双方の発展に有利である。
(8) レナウンブランドの中国展開は、既に中国全国規模の企業集団と接触しており、一度に百店規模で出店することも可能である。
(9) 中国市場開拓には多数人材を要するから、レナウンがこれ以上人員削減する必要はない。
(10) 山東如意は、ウールや綿など様々な原材料から世界最高水準の細糸製造の独自技術を持ち、イタリアブランドのスーツなどを製造しており、海外企業からのライセンス生産も多い。レナウンの不振原因となった原材料のコスト高を克服できる。
SANARI PATENT所見 
 野村総研の緒方 卓氏が説かれる「中国市場の多様性」(世代間・現地感覚・価値観)を具体的に、山東如意を通じて的確に認識し、レナウンの中国成功がもたらされることを期待する。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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