2010年2月15日月曜日

SUMITOMO CHEMICAL Will Accomplish the Rabigh Project in Saudi Arabia 

住友化学は「サウジアラビアにおけるラービグ計画の完遂」に傾注
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 総合化学の動向を先ず、住友化学について見る。住友化学の中期経営計画(2007~2009)のトップには、「サウジアラビアにおける世界最大規模の石油精製と石油化学の統合コンプレックス計画であるラービグ計画の完遂」を掲げている。次いで、「グローバルな事業展開を支えるグローバル経営の充実」、「設備増強・合理化、新製品上市、高付加価値品へのシフト」、「選択と集中によるライフサイエンス、情報電子分野の事業拡大と競争力強化」、「戦略的投資と研究開発活動の強化・早期事業化による成長」を挙げている。
 特に特許技術に直結する「創造的ハイブリッド・ケミストリーの追求」については、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「住友化学が基本戦略とする創造的ハイブリッド・ケミストリーは、触媒、精密高分子加工、高分子機能設計、機能性染料・顔料、結晶制御技術、焼成、バイオ、キラル化の8つのコア技術を組合せて、ブレークスルー技術を開発し、それを次世代事業の開発に繋げることを骨子とする。すなわち、コア技術のブラッシュアップと水平展開、異種コア技術の組合せ・融合による新製品・新材料の開発を加速することを目的とする。」
 翻って住友化学の2009-04-01~2009-12-31期の業績を見ると、売上高は1兆1427億円で、対前年同期比21.3%の減、営業利益は296億円で29.5%の減となっている。この期間の住友化学の各事業セグメントは、
(1) 基礎化学セグメントでは、カプロラクタム(SANARI PATENT注: ナイロン等の原料)の合成繊維原料の販売は、原料価格の下落に伴って市況が大幅に下落した。アルミニウムやメタアクリルは市況の下落に加えて出荷も減少した。
(2) 石油化学セグメントでは、ペトロ・ラービグ社の稼働に伴って販売子会社での出荷が開始されたが、ナフサ等原料価格の下落で、アジア市況や国内販売価格が大幅下落した。
(3) 精密化学セグメントでは、医薬化学品や化成品の販売が、出荷減少や円高により減少した。
(4) 情報電子化学セグメントでは、液晶ディスプレイ材料である偏向フィルムやカラーフィルターは、韓国・台湾・中国での需要回復により出荷が順調に回復したが、販売価格の下落や円高により売上高が減少した。
(5) 農業化学セグメントでは、飼料添加物や長期残効性防虫蚊帳の出荷、海外での除草剤出荷は堅調に推移した。
(6) 医薬品セグメントで、高血圧症・狭心症治療薬のアムロジンが特許期間満了で販売が減少した。
SANARI PATENT所見
 住友化学の海外石油化学事業は、シンガポールに続いてアウジアラビアで展開し、石油の安定供給にも資する国家的意義を持つ。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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