2010年2月8日月曜日

Financial Engineering or Computational Finance Deemed as the Cause of World Crisis

 金融工学を悪者にすることの見当違い
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
 今次主要7カ国の財務大臣・中央銀行総裁会議(2010-02-06開幕)では、金融規制の強化が冒頭の議論課題になったが、金融工学の科学性にかかわらず金融規制が必要とされることは、原子力工学の科学性にかかわらず原子力規制が必要とされることに似ていると、SANARI PATENTは考える。平たく言えば、金融工学も原子力工学も、使い方によっては極めて危険・有害な学理であって、その危険性有害性を抑圧するためには、共に厳格な規制を要するのである。
先般の世界金融危機発生の原因が金融工学への過信あるいは金融工学の欠陥のようにマスコミされたが、いずれも誤解であって、金融工学が一定の前提を設定し、高等数学の数式を用いて金融作用とその結果の因果関係を解明する有用な工学であることを否定するのは全く誤りである。この誤りを増幅しているなが数学の機能に対する未知ないし誤解であって、例えば先日、朝日新聞が特集した「数学という力」の中にも、「数学の授業で習ったことは役に立ったことがない」「数学の本質は自由性の中にある」「素数が宇宙を解き明かす?」「あり得ない数が、あらゆる現実に潜む」などのフレーズが混在し、また、「数学はもともと、純粋な学問として重宝されてきた。それが最近は、数学を直接、産業や金融の技術に活かそうという動きが活発だ」などと解説されると、今更何を言っているのですか、という感じになる。むしろこの記事で光っているのは、「数学とは、異なるものに同じ名前を与えるアートである(Henri Poincare)」
や「数学的発見の原動力は、推論ではなく、創造力である(Augustus de Morgan)」などの言葉である。特に先般のリーマンショックは、リスク確率の著しく異なる債権を証券化して、同様リスク確率のように見せた証券販売に起因するので、Henri Poincareの言葉が身に沁みるのであるが、これを見破らなかった証券購入者の自己責任であって、リスクの濃淡を数理分別した金融工学・金融数学は、むしろその正確さが実証されたとSANARI PATENTは考える。
その意味で、上記朝日記事の「金融危機で主犯説、そんなに金融は悪いのか」の項は明快な回答を与えている。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム