2010年2月4日木曜日

ASTELLAS Consolidated Net Sales Increased by 1.8% Tear-to-Year to ¥723 Billion 

医薬界2010年問題(大型特許製品の特許切れ)下のアステラス製薬経営戦略
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 アステラス製薬が昨年間(2009-01-01~12-31)の業績を発表したが(2010-02-02)、医薬品国内2位の同社の動向は、いわゆる2010年問題を内蔵する医薬品業界の進路を把握するため、多くの注目を集めた。アステラス製薬は、「当社では、新製品の発売時期の見直しなど、内部要因の変化に加えて、医療費抑制策の進展、世界的な景気後退(SANARI PATENT考察:「景気後退」という用語は決り文句に過ぎ、むしろ景気後退後の「世界経済変動」こそ問題なのだが)、為替の変動などの環境変化を織り込んだうえ、2010年度を初年度とする5ケ年の新たな中期経営計画を、2010-05-25に公表する予定です」と述べている。
 既にアステラス製薬は、アニュアルレポート2009の特集の第一に「特許切れを迎えるプログラフとハルナールの動向」と題して次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. プログラフとハルナールは、2008-04と2009-10に、米国で物質特許が満了し、今後の売上減少が予想される。しかし、グローバルな売上としては、2製品としても売上減少は比較的緩やかになると見込んでいる。
2. プログラフは、臓器移植における拒絶反応を抑える免疫抑制剤で、約80の国域で発売され、グローバルに移植領域でトップポジションにある。日本では、移植領域での売上増加に加えて、2005以降に追加適応を取得した関節リウマチ、ルーブス腎炎の追加適応症が承認され、20103月期には全ての重症筋無力症の追加適応を取得できる見込みである。アジアにおいても、中国や韓国を中心に成長を続けている。米国では2008-04に特許権満了を迎え、2009-08に後発品が承認されている。アステラス製薬では、プログラフの製品特製を考慮し、後発品発売後の売上減少は比較的緩やかと想定する。欧州では2009-06に主要国で特許満了したが、米国よりも後発品の影響は緩やかと見るが、価格低下のリスクを想定する。
3. ハルナールは、前立腺肥大症に伴う排尿障害の改善剤で、現在約90の国域で発売され、ゴールドスタンダードの地位を確立している。国内・欧州で既に特許満了し、売上が減少傾向にあるが、アジアでは好調に推移している。しかし、ジェネリック発売後は、バルクロイヤリティ収入が著減すると見込む。
SANARI PATENT所見
 アステラス製薬は、アジア・オセアニア市場で日本企業売上高首位を占め、現在,中国に最注力すると共に、インドでの早期事業化を進めている。各国域の医薬品知財の特性にも即応しつつ、着実なグローバル発展を遂行すると予想する。
(コメントは sanaripat@gmail.com   にご送信ください)

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