2010年2月1日月曜日

TOSHIBA Reports Favorable Market Trend of Electronic Devise

東芝事業報告(2009-04-01~12-31)を通じて見る電機業界景況
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 東芝が,2009年度第3四半期までの状況(2009-04-01~12-31)を公表したが(2010-01-29)、前年同期に比べてどのように変化し、東芝はどのように対処するとしているか。発表内容(SANARI PATENT要約)を見ると、
1. 今次報告対象期(2009年の4月以降)の世界経済は、各国における景気刺激策の効果等により、徐々に回復に向かいつつあるものの、金融危機および実体経済の悪化により極めて厳しい経済状態が継続した。
2. 中国が、内需を中心に景気回復局面に入るなど、アジアで景気の持ち直し、米国・欧州でも景気は回復の兆しが見られるものの、米国・欧州等の失業率が高水準で推移するなど、引続き深刻な経済情勢にある。
3. また、国内情勢も、緊急経済政策等の効果が見られるものの、自律性に乏しく、雇用情勢も依然厳しい状況がき、先行きは大変不透明である。
4. このような厳しい状況下で東芝は、「利益ある持続的成長」への再発進を目指し、売上高が増加しなくても利益確保が可能な収益体質への転換を図り、2009-01に公表した「収益改善に向けた体質改革プログラム」を強力に推進し、コスト削減に努めた。(SANARI PATENT考察:「売上高が増加しなくても」どころか、売上高は対前年同期比9%減の4兆5341億円であったが、営業損益は前年の損失から1891億円増加して、1891億円の利益を計上しており、上記の意図は早々に達成されている。)
5. 売上高の減少は、円高および景気後退の影響によるが、営業損益は電子デバイス部門が大幅に改善し、デジタルプロダクツ部門、社会インフラ部門も増益になった結果、営業損益の黒字化となった。
6. 米国会計基準の変更により新たに採用された「当社株主に帰属する四半期純損益」も、前年同期比913億円改善し、損失幅がマイナス683億円に縮小した。
 東芝は、2009-05-08時点での連結業績予想を、2010-01-29に修正しているが、その要点を見ると、
(1) 売上高は、当初の予想以上に長引く世界的な景気低迷の影響で、全セグメントにわたり、前回予想より減少する見通しであるが、NAND型フラッシュメモリーの市場における需要の増加と価格の安定により、電子デバイス部門が前回予想より大きく改善すると見込まれる。
(2) しかし、電子デバイス部門以外のセグメントは、長引く世界的な景気の低迷により、前回予想より減益が見込まれる。
SANARI PATENT所見
 米国GDPの早期増加に復帰も予想されている折柄、世界景気動向について両様の見方に柔軟な対応が必要である。
(コメントは sanaripat@gmail.com   にご送信ください)

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