2009年11月2日月曜日

Strategies for Battery System Industry Studied by METI 

経済産業省・蓄電池システム産業研究会の年初来論点
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 自動車の製造販売をめぐる国内・国際競争は、知財の闘争とコストの闘争の混合といえよう。知財にはビジネスメソッドも含んでいる。例えば日産のゴーン社長は早くから、蓄電池のリース方式戦略を公けにしていたが、週刊東洋経済誌(2009-07-25)も、「戦いのルールを変える! 日産エコカー戦略の野望」と題して、「車両は販売するが、リチウムイオン蓄電池はリースにする」という日産の戦略を詳述している。「顧客は、ケータイのように毎月の基本料金と走行距離に応じたリース代を支払う。この料金と、別途充電に必要な電力料金との合計がガソリン代と同程度なら、電気自動車は十分に魅力的な購買対象となる(SANARI PATENT考察:  リチウムイオン蓄電池の単価は200~300万円と見られているから、車両の代金のみで購入できることは、極めて魅力的といえよう)。1km走るのにガソリンが10円、電力が深夜電力充電の1円とし、差額9円をリース代とすれば、15年/24万kmという一般性能保証基準で日産が入手するリース代は216万円となり、採算可能域にある。」

 そこで年初来、毎月開催されている経済産業省の蓄電池システム産業戦略研究会も、コストが先ず議論されている。発言内容(SANARI PATENT要約)は、
1. 日本の蓄電池産業は先行してきたが、最近、中国が追い上げてきて、差が縮まっている。性能は向上しているが、人件費などコスト面で課題がある。今後は材料メーカーとも組んで、コスト削減に取組まないと劣勢になる(SANARI PATENT考察: 中国については、同国がリチウム資源の寡占国であるという見地からも総合戦略的に考えなければならない)。
2. 中国の基礎研究も、かなりのスピードで追いつくことが予想される。コストをどう削減するか、考えなければならない。
3. 材料メーカーに厳しい要求がきている。また、材料の安定供給が求められている。
4. リチウム電池搭載を検討しているが、コストが高いために割に合わない。キャパシタも重要であるが、コストの目標は前倒しに検討すべきである。充電をどうするかも課題である。
(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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