2009年10月26日月曜日

Work-sharing of Patent Examination by International Systems 

特許審査の国際ワークシェアリングを支える取組
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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14-3 (承前2009-10-25記事) 世界特許審査のワークシェアリング:
 特許出願件数が世界全体で年間180万件に達しているが、経済のグローバル化は、各国に重複して出願されるケースの増加を伴い、2007年において既に、日米欧中韓では約141万件中、約42万件、すなわち、3割が相互に重複している。日米欧の三極に限定しても、約99万件中、約25万件、すなわち、4分の1が相互に重複している。各国それぞれ特許法と特許庁を有し、同一内容の特許出願であっても、各国それぞれの審査が行われてきたが、「先行技術から自明でない技術思想の創作であって、産業上の利用可能なもの」に特許が付与されるべきであるとすれば、これに該当するか否かは本来、世界同一に認識・判断されるべきはずだから、重複出願国の一国で特許付与該当と判断すれば、他の出願国でも同一の判断がなされるはずであり、審査を省略できる、すなわち、
ワークシェアリングを実現できるというのが、「世界特許審査のワークシェアリング」、いわゆる世界特許庁の構想である。
 特許審査ハイウェイの協定は、2006-07の日米間締結に始まるが、日韓(2007-04)・日英(2007-07)等と続き、かつ、米韓に締結されて(2008-01)、日米韓三面のワークシェアリング体制が構築されたのを始め、現在は、EPOを含む多国間ワークシェアリングの体制を形成するに至った。
 しかし、その実益を挙げるためには、特許審査ハイウェイ(PPH)、特許協力条約(PCT)など既存システムを最大限に活用すると共に、基礎プロジェクトとして次の10プラットフォームの構築が求められる。
(1) 共通文献データベース
(2) 共通出願様式
(3) ハイブリッド分類への共通アプローチ
(4) 共通トレーニングポリシー
(5) サーチ戦略の共有化と文書化に向けた共通アプローチ
(6) 相互機械翻訳
(7) 共通のサーチおよび審査支援ツール
(8) 審査実務と品質監理の共通ルール
(9) サーチおよび審査結果への共通アクセス
(10) 審査の共通統計パラメータシステム(以下次号)

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