2009年11月14日土曜日

Directors of Japan, America and Europe Patent Offices have Agreed on Patent Examination Work-Share 
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 日米欧3極の特許庁長官会合(2009-11-13)で、特許審査ハイウェイの適用対象について検討し、その試行を2010-01-29から開始することを合意した。技術および特許制度の先進国グル-プともいうべき日米欧3極において、特許付与の要件である新規性、非自明性、進歩性の判断は共通であるべきことから、複数国への同一内容特許出願について、各国特許庁がそれぞれ審査することによる先行技術調査の重複を省き、相互に審査結果を認め合うことは、特許審査のワークシェアリングとして日米欧3極の共通の利益となるものである。一国で特許を付与されれば、他の出願相手国の特許も同時に付与されるという、世界特許の日米欧3極版の至る過程として、今次合意は極めて有意義と、SANARI PATENTは評価する。

 合意の内容(SANARI PATENT要約)は、次のように述べてられている。
1. わが国は、審査の迅速化とユーザーの利便性向上のための取組として、一方の国で特許された出願について、他方の国でその審査結果を参照しながら、早期審査を行う「特許審査ハイウェイ」(PPH)を各国と共に進めている。
2. PPHは日米間が先行してきたが、欧州特許庁には、わが国から年間2万件以上の特許出願があるのに、欧州特許庁とは未だにPPHを締結しておらず、産業界ユーザーからは、日欧間でのPPH取組開始が待たれていた。また、現在PPHは相手国における国内審査で特許性があると判断された出願にのみ申請が認められているが、PCT出願(特許協力条約)のうち、国際段階の成果物において特許性があると示されたものも対象とすることにより利便性が大きく向上することから、日米欧3極特許庁間で検討してきた。
3. 今次会合により、次の結果を得た。
3-1 日欧間におけるPPH試行開始の合意
  両庁間のPPH試行プログラムを2010-01-29から開始することに合意した。出願人はこのプログラムにより、一方で特許を取得した場合、他方で早期審査の請求ができる。世界第4位の特許出願園数を有する欧州特許庁とのPPH締結により、わが国とのPPH締結国・機関は12国・機関となり、わが国を含む13国・機関の出願件数は、世界の特許出願の75%を占めることとなった。
3-2 PPHの適用対象について、日米欧いずれかの国際調査機関又は国際予備審査期間により特許性を有するとの見解が示された場合においても、日米欧の各国で早期審査を受けることができる試行プログラムを、2010-01-29に開始することとなった。
(コメントは Mail sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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