2009年7月7日火曜日

JAL vs. ANA, Rivals of Business Method 

日本航空と全日空、ビジネスモデル特許訴訟から企業年金、支援と公募、類似と相異
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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1. JALとANAの比肩
 会社四季報はJALを「空運で売上高世界5位級、国内はANAと二分」、ANAを「国内線はJALと互角、国際線は中国・アジアに集中」と特色づけているが、ビジネスモデルの類似を特許訴訟で争った時期もあった。Nikkeibpの2004-07-27 netには次のように報じられている(SANARI PATENT要約)
1-1 JALが取得したビジネスモデル特許が、ANAに向けて火を噴いた。JALは2004-07-23、ANAが展開している。法人向け国内線予約・発券サービスが、JALの持つビジネスモデル特許を侵害しているとして、ANAを東京地裁に提訴した。ANAに対してシステムの使用中止と、100億円の損害賠償を求めるものである。
1-2 JALが持つ特許は「ID利用の搭乗券発行システム」(特許番号第3179409号:登録日2001-04-13)で、このシステムの契約企業数はJAL、ANAとも約1万強である。
2 政府支援要請の有無
 昨日(2009-07-06)の国土交通省記者会見で金子一義大臣は、「(1000億円規模の)政府支援とJALの企業年金減額はセット」との認識を示した上で、「西松JAL社長の責任で必ず実行してもらうのが政府支援の条件だ」「年金減学が頓挫した場合の経営責任は西松社長が覚悟」と語った(Yahoo News 2009-07-06:1216)。
一方ANAは、政府支援のJALに対抗して、1500億円規模の公募増資を実施する方針を固めた(2009-06-30)。航空需要低迷下で、成田・羽田空港の拡張(2010)を踏まえ、米国ボーイングが開発中の次世代中型機787導入など設備投資に必要と判断した(jijicom2009-0701:0212)。
3. 企業年金への関心
 大企業においては原則的に実施されてきた企業年金制度は、大企業以外の退職者の年金額と著しい格差をもたらす場合が多いと共に、大企業の企業間格差も大きいことが、今次JAL問題を契機として明らかになった。すなわち、週刊ダイヤモンド誌2009-07-04は、「暗雲のJAL企業中国年金改定、大幅減額にOBが猛反発」と題されているが、むしろ、「ANAの企業年金給付額は、月額10万円未満であるが、現行制度でのJALの企業年金は、公的年金(SANARI PATENT注:38年勤続定年退職者で月額21万円程度と解する)に上乗せされて月額約25万円が支給され、ANA社員は、JALは余りに高額と漏らす」という同誌記事が一般読者の関心を集めたと考える。日銀、9電力、大手電機などの企業年金の実態を明らかにして、年金制度改革の考え方を再検討すべきである。(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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