2009年7月30日木曜日

Increasing Volatility of the Rare Metals’ Prices 

レアメタル価格変動の諸要因と知財開発
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 先端技術分野を含めて、必須資源の安定的確保が国際競争力維持のため不可欠であり、資源外交と共に、その回収、利用と代替資源開発の知財開発が極めて重要になっている。しかしそれら知財の経済性は、対象資源の価格水準に依存し、需給と価格のVolatilityの増大が、レアメタルをめぐる知財開発の難関を成している。
3.(承前2009-07-29記事)レアメタルの特殊性:
 レアメタルは、一般に希少性や偏在性が強く、生産国の輸出政策、主要西安施設の状況の影響を大きく受ける。また、ベースメタルの副産物として産出される場合が多く、週産物であるベースメタルの生産動向の影響を大きく受ける。
 近年、BRICsを始めとする世界経済の発展によってレアメタルの消費は世界的な規模で拡大し、国際需給が逼迫して、多くのレアメタルの価格が高騰し、平成20年上期にピークとなったが、秋以降の世界的景気悪化により大幅に価格が下落した。このように、レアメタルの価格のボラティリティは高まっており、中長期的には需要の増大によって再び上昇傾向で推移するとの見方が多い。
 また、資源国における資源ナショナリズムの台頭や、一部の国では戦略物資と位置づけ輸出抑制の国家管理を強めるなど、レアメタルの環境には不安定要素が多く、国際的需給逼迫や供給障害発生も懸念されている。
4.戦略的取組の必要性
4-1 わが国はこれまでも、海外資源確保、リサイクル、代替材料開発、備蓄の4つの施策を柱とするレアメタルの安定供給対策に取組んできたが、レアメタルを取り巻く環境には、需給両面にわたる種々の課題や要請が存在し、今後一層の総合的戦略的取組が求められる。すなわち、
4-1-1 海外資源確保については、近年、わが国企業による取組が進みつつあるものの、資源探査のリスクに加えて、国際的な資源権益獲得の競争激化、資源ナショナリズムの台頭、投資規模の増大等の課題に取組まなければならない。
4-1-2 リサイクルについては、世界有数のレアメタル消費国であるわが国国内で発生する使用済製品等を資源と捉え、レアメタルを回収する、いわゆる都市鉱山への期待が高まっている。この実現には、回収システムの整備、抽出技術の開発等に取組まなければならない。(以下次回)
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