2009年7月22日水曜日

Cooperation and Competition in the Outbound Type Open Innovation 

アウトバウンド型オープンイノベーションにおける協調と競争
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

 経済産業省産業構造審議会の新技術政策案は、「競争優位の土俵づくりとしての協調の強化」という表題を設けて、以下の記述(SANARI PATENT要約)に進んでいる。
22.(承前2009-07-22記事) 出口を見据えた協調領域の研究開発拠点:ベースキャンプの整備
22-1 世界的レベルでオープンイノベーションが進展する中、共通基盤技術の高度化など戦略的な協調を実践し、その土俵の上での競争を推進するためには、国の内外から人、資金、情報が集積する場の形成が重要である。また、単に自社にない技術の取得・補完(インバウンド型)ではなく、協働のシナジーによる価値創造(アウトバウンド型)を目指す動きが加速している。
 こうした協調の場において、多様な研究主体(企業、大学、研究所)が知恵を持ち寄って新たな製品サービスモデルを可変的に探究する研究開発に取組むことが、「コンセプト・ドリブン型」の要諦である。(SANARI PATENT考察:  オープンイノベーションの型として、インバウンド型とアウトバウンド型の2類型を掲げているが、前者は、「既存技術の相互補完」、後者は、「資源を出し合い、協働して価値を創出する」型であると特徴づけている。(SANARI PATENT考察: 国際市場のシェア拡大を経てデファクト標準化を形成するための協調は、この二つの型の融合である場合が多いと考えるが、更に重要な型の分類は、国内企業のみの協調か、国際的な多国籍企業協調か、の分類であり、政府の国内政策と、多国籍企業の国際戦略が撞着する局面があり得る)。
22-2 このような状況のもとで、アウトバウンド型のオープンイノベーションを推進する方策として、国による研究開発プロジェクトを通じた拠点の形成が有効である。この拠点において集中研究型のプロジェクトを実施することにより、多様な研究者等の連携・融合の場を形成し、個別企業では対応できない協働によるシナジー効果を生み出す先導モデルを確立することが急務である。このような拠点は、登山におけるベースキャンプに譬えられる。すなわち、到達すべき社会システムのあるべき姿を山頂として明確に見据え、そこに至る新たな製品サービス。市場の開拓のため、一つの屋根の下で数多くの研究機関。研究者が研究開発する拠点である。
SANARI PATENT所見
 これに続いて、「協調領域と競争領域の設定」という、戦略的最重要事項の考察に進む(次回)。
(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム