Changing Pinch to Chance by Needs-Push Type Invention
ピンチをチャンスに変える課題解決先進国を志向
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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15.(承前2009-0718記事)出口を見据えた国家技術戦略への転換:
15-1 重点分野の見直し
15-1-1 課題解決を起点とする重点分野の設定
第3期までの科学技術基本計画における技術先行の重点4分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテク・材料)設定から、新たなコンセプトに基づく社会システムの在るべき姿(低炭素、健康・安全)を起点とする重点分野設定に転換すべきである。例えば、少子高齢化、エネルギー制約など、わが国の課題を起点として、それらを世界に先駆け科学技術で解決する新製品・新市場を生み出すことで、日本の成長力に転換するコンセプト(ピンチをチャンスに変える課題解決先進国)に基づいて重点分野を設定すべきである。
15-1-2 バックキャスト型の分野別戦略
出口の課題別にバックキャスト型(目指すゴールの絵姿から見て重要技術を特定し目標値を設定する手法)で戦略を策定すべきである。例えば10年後、20年後の製品サービスのイメージを想定し、必要とされる要素技術に分解して重要技術を特定すべきである。
16. 研究開発予算の枠組みの見直し
16-1 出口を見据えた基礎から応用までの一貫した研究開発
現在、政府の研究開発予算は、目的基礎研究も含め概して基礎研究に関しては文部科学省に、応用分野については経済産業省、農林水産省、厚生労働省など産業所管省庁に計上されている。基礎研究分野のプロジェクトと応用研究分野のプロジェクトとの連携は、個別には図られつつあるが、予算計上省庁が異なるという制度上の限界は否めない。この点、例えば米国のNIH(National Institute of Health)がHealth分野に関して基礎から応用まで一貫した研究開発予算を計上して一体的なプロジェクトを実施しているのと対照的であるが、NIHの方式によるべきである。
16-2 基礎から応用・開発への橋渡し
予算の枠組みの改革のほかに、基礎分野と応用開発分野を担う研究開発プロジェクト間の連携を運用面で行うことも大きな意味がある。例えば現在、希少金属代替材料技術の研究開発を対象に、JSTとNEDOの間で基礎から応用へのテーマの橋渡しの制度的工夫として合同公募が行われている。
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