2009年7月23日木曜日

Construction of Cooperating Field While Securing Competitive Domination 

競争優位を確保しつつ協調拠点を構築
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

22.(承前2009-0722記事)協調領域と競争領域の設定:
 同じ技術分野・事業分野を対象とする場合であっても、どのレイヤーの技術・事業領域の競争力を高め、逆にどこをよわめるかという視点で設定すべきであり、かつ、状況の変化により可変的に設定を見直すべきである。
 また、拠点においては、研究開発に秀でたリーダーだけでなく、拠点の経営・運営のリーダーのもとで、協調に参加するインセンティブが働く組織・制度づくりが必要である。具体的には、世界最先端の研究者や機器の存在など、他では得難い機会の提供、多様な研究主体が組織の壁を超えて協調できる技術研究組合の活用、知財創出への貢献者の権利を確保した上で共同利用を可能とする仕組みにより、人材・知財・資金が集まる場として制度設計すべきである。
23. 標準化のための共同研究開発:
 技術標準の確立を目指した共同研究開発では(SANARI PATENT考察:「確立」という用語を用いる必要はないので、「設定」(初期)で十分である)、その成果(技術標準)に対して員外者利用が可能であることが、独禁法に抵触しない要件であることを踏まえ、協調による研究成果の管理について、適切な体制が求められる。さらに今後は、国際的にオープンイノベーションが進展することを踏まえ、競争優位を得るための標準化戦略への、より積極的な対応が求められる。
24. インターフェース情報の共有化:
 標準化に関連して、競争の土俵を有利に設定する観点と同時に、多数の技術開発主体の参入を促進する観点から、技術要素を結合させる際のインターフェース情報の共有化が重要である。現在、様々な分野のインターフェース情報について国内外で標準化・共有化が行われており、わが国においても自動車の車載電子制御システムのモジュール化とインターフェースの標準化を行うJASPAR (Japan Automotive Software Platform and Architecture)が活動している。
 JASPARは、自動車の電子化に対応するために、国内の自動車メーカーとサプライヤーが協力して、自動車のECU(電子制御ユニット)用のソフトウェアや、車載ネットワーク標準化を推進する団体として2004年に発足した。
(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム