2009年6月1日月曜日

Relations Between GM and Japanese Makers 

「事前調整型」破綻スキームへの注目
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 6月1日になったばかりだが、産経の2009-05-31:22.56ニュースが、「GM破綻申請へ」「初の事前調整型破綻スキームも見切り発車」と詳報しているので、この際、米国における事前調整型破綻スキームの実際を考察することが、今後の参考にもなろう。ただし、「初の」の意味は厳密でない。クライスラーの場合も「事前調整型」と類型づけられている。GMの規模が、クライスラーの4倍に達することが、むしろ注目される。
 また当面、GMと提携関係にあるわが国自動車3社(トヨタ、スズキ、いすず)と、部品取引企業(デンソー、ヨロズ、曙ブレーキ、日立製作所、三菱電機、三菱重工業など)は、提携の維持や債権保全の対策を固め、経済産業省の支援を要請する局面も予想される。

 産経の報道を要約すると、
1. 米国大統領報道官が、クライスラーがGMにとって望みの持てる実例だ」と語るなど、GMもクライスラーと同様に事前調整型破綻スキームを採ることになる。
2. しかし、債権者が機関投資家にほぼ限定されていたクライスラーと違い、GMは債権者層も多様で、関係者の利害は複雑だ。特にGM社債を購入してきた個人や年金基金など、無担保債権者との交渉は難航を極めた。
3. 再建を迅速に進めるための事前調整型破綻スキームには、債権者の3分の2以上の同意が必要とされているが、現状では半数を超えた程度である。米国政府が求める「早期の経営再建」には、まだ不確定要素が多い。
4. 米国政府は、再建後の新GMの株式の72.5%を取得して国有化する。オバマ大統領は、1日、GMの再建を引続き支援すると表明する予定である。
5. 再建案の柱は、新GMと旧GMを分けて、新GMに優良ブランド。資産を移し、旧GMに不採算ブランド・不良資産を分離して清算する。
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