2009年5月26日火曜日

Premium Factors of Oil Price Fluctuation 2009

エネルギー白書における原油価格変動要因の考察
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 ローマで開催されたG8エネルギー閣僚会合(2009-05-24~25)において二階経済産業大臣は、原油先物相場の急激な変動を抑えるため、規制や監督の強化を求め、共同声明には、商品取引所を介さずに売買する店頭市場の監督強化や、先物市場取引の透明性改善が盛り込まれた。しかし、取引量の制限など具体的内容については、主要市場を持つ米英の慎重姿勢により明記されず、「さらなる協調行動の検討」の表現にとどまった。

7.(承前2009-05-25記事)プレミアム要因の考察
  2006年以降のOPEC原油増産により、OPECの余剰生産能力は著しく低下し、地政学的リスクに対する原油価格の変動性が高まった。また、原油価格が60ドル台であった2006年10月のOPEC総会で減産を決定したことにより、OPECは高値で価格を支えようとしているという認識が市場関係者に広まった。OPECの余剰生産能力が低く、OECDの石油在庫も低水準で推移する傾向が見られる中で、イラク等における地政学的リスクが供給面での不安感を煽ったことも、価格上昇に影響した。

 金融の面では、2000年にITバブルが崩壊すると、主要国では経済の悪化とデフレを防ぐため、政策金利が引き下げられ、その後も世界経済の安定成長下で長期金利が低水準で推移したことにより、投資家や金融機関にとっては資金調達が容易になったから、よりハイリターンを得られる投資先を求めて、投資行動を積極化することとなった。

 同時に、米国において、サブプライムローンの普及が、低所得層による住宅担保借入を容易にして消費を拡大し、輸入の増加が米国の経常赤字を拡大し、これに対応してオイルマネーや、外貨準備・貯蓄超過を背景とするマネーが米国金融市場に流入した。
 特に、年金基金や長期運用型のファンド資金が直接・間接に原油先物市場に流入し、取引量は増加し続けた。
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