2009年5月18日月曜日

Resources Productivity should be Stressed in Japanese Electrical Industry

 ロイターと朝日の同日発信:大手電機不振の真因(危機の真相)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 Reuter東京と朝日新聞論説が、大手電機の構造問題、危機の真相の解明を試み(2009-05-17)、専ら「百年に一度の世界不況」に不振を帰責することの誤謬を指摘したことは、 極めて意義深い。ロイターが掲げたソニーの事例は、上記
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に要約したので、これを除いて、両報道を総合考察する。

1.1980年代から1990年代初頭まで、日本の電機大手は世界を席巻し、世界の家電輸出額の5割以上を日本が占め、半導体生産では世界一を達成した。しかし、2010年3月期の見通しを含めた10年分を通算すると、電機大手9社の純損益の合計は、1兆2000億円超の赤字である。国内の賃金は高いが、多くの事業を手掛け、一部で不採算になっても高付加価値製品を造り続けるというビジネスモデルが通用しなくなってきたのだ。

2.今後も、大手電機メーカーの業績不振が長期化するおそれが出てきた。大手8社による2010年3月期の業績予想では、景気回復や国内外での政策支援などの外部環境好転の期待に加えて、コスト削減を通じて年度後半、本年秋以降に業績を回復させるシナリオを示しているが、次の成長を牽引する商品やサービスは見当たらず、世界経済が回復局面に入っても、日本メーカーの多くが取り残される可能性も否定できない。

3.低コストが強みの韓国・台湾メーカーは、値ごろ感がある汎用品で、薄型テレビや半導体、パソコンなど主要市場を着々と抑えつつある。例えばケータイ端末について米国ガートナーによると、1094年には世界販売シェアの上位10社にNECやパナソニックなど国内5社が入り、20%超を占めていた。その後、国内偏重の高機能製品で競い合ううちに、日本勢の端末開発は世界標準からかけはなれ(いわゆるガラパゴス現象)、世界シェアは5%未満となった。

4.現在の世界不況が電機業界の業績動向に大きな影響を与えていることは事実だが、業界の構造問題は数年前から指摘されており、昨秋以降の急激な不況は問題の存在を鮮明にしたに過ぎない。電機業界の現在の苦境の原因は経済不況ではなく、収益力・国際競争力の慢性的な低下であって、百年に一度の不況を強調すると、問題の本質を見誤るおそれがある。(以下具体例は、上記
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