2009年5月24日日曜日

The Trend of Energy Consumption 

わが国のエネルギー消費動向
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 原油価格の再上昇が注目されているが、わが国エネルギー消費の動向を先ず、今次エネルギー白書(2009-05-22閣議決定)によって考察する。今次白書は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1.エネルギー消費とGDP
わが国のエネルギー消費は、1970年代までの高度経済成長期には、GDPよりも高い伸び率で増加した。しかし、1970年代の2度にわたる石油ショックを契機として、産業部門の省エネが進み、エネルギー消費抑制と省エネ型製品開発のもとに、経済成長を果たしてきた。しかし部門別には、エネルギー消費動向に顕著な相異が見られる。

2.産業部門と民生・運輸部門の対照
石油ショック以降のエネルギー消費動向は、産業部門がほぼ横ばいで推移する一方、民生・運輸部門がほぼ倍増している。その結果、産業・民生・運輸のシェアは、石油ショック当時の4対1対1から2007年度には、2対1.4対1に変動した。原油価格が比較的に低位水準で推移するなかで、快適さ・利便性を求めるライフスタイルの普及を反映している。
伸び率から見れば、1973~2007年度の34年間に、産業部門はエネルギー消費が横這い(1倍)であったのに対して、民生部門は2倍半、運輸部門は2倍になっている(佐成重範弁理士がエネルギー行政に関与していた当時の常識として、電鉄のエネルギー消費は、速度の2乗に比例した。速度を倍にすれば電力は4倍要するということであった)。

3.エネルギー原単位の国際比較
 このように日本全体のエネルギー消費量は増加し続けているが、GDPの1単位を産出するのに必要な一次エネルギーの量は、海外諸国と比較して少ない。日本は米国に次ぐ経済大国だが、1単位のGDP当たり一次エネルギー供給量の指数(2006年)は、日本を1として、米国2、EU27国1.8、オーストラリア2.5、カナダ3.1、韓国3.1、タイ6.0、中東6.0、インドネシア7.9、インド7.9、ロシア17.5、全世界3.0と概算され、エネルギー利用効率が高い。
4.エネルギー供給の対GDP弾性値
 エネルギー需要と経済成長の関係の指標として、表記弾性値を見ると、第1次石油ショックまでは1.2で、一次エネルギー国内供給の伸びは、GDPの伸びを上回っていた。その後は、省エネ努力や産業構造の変弾性値
化などにより弾性値は0.2となり、経済が成長してもエネルギー供給はあまり増えなかった。しかし1980年代後半からエネルギー供給は再び増加に転じ、1986~2001の対GDP弾性値は1.0で、経済成長とほぼ同じ伸び率だったが、2001年以降の対GDP弾性値は再び0.1と低い値になった。(以下次回)
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