2009年6月9日火曜日

Current Status of Japanese Finance 

わが国財政の現状(「主要先進国中で最悪水準」という評価には疑問)と今後
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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12(承前2009-06-08記事)わが国の国・地方を合わせた長期債務残高は、2009年度末には816兆円、対GDP比で168%に達する見込みである。わが国の財政状況は、一連の景気対策を講ずる以前から、主要先進国の中で最悪の水準(SANARI PATENT考察: 財政審議会ないしその事務局lの財務省が。「最悪」の算定方式を示さずに「最悪」という表現を用いることは、すこぶる疑問である)にあったが、今次景気後退に伴う税収減および一連の景気対策によって、更なる財政悪化が見込まれ、極めて危機的な状況にある。

13 またわが国では今後、少子高齢化の進展により、社会保障費は更に増加し、現状においてもその安定財源が確保されていないのに加えて、将来世代へのつけまわしに依存する結果となりつつある。

14 予て政府は、中期的な財政運営の基本的考え方として、財政規律の観点から、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(2006-07-07閣議決定)に基づいて、2011年度までに、国・地方を合わせたPrimary Balanceの黒字化を目標として、歳出の見直しに取組んできた。しかしながらこのBalanceは、2008年度のマイナス3.4%から2009年度にはマイナス4.2%よりも一層悪化することが確実である。

15 従って政府は第1に、景気回復のためとは言え、一連の財政出動により債務残高が累増し、財政再建のハードルが一層高くなっていることを先ず認識すべきである。第2に、経済状況に柔軟に対応しつつも、歳出・歳入いったい改革により財政健全化に取組むとの「基本方針2006」の基本的考え方の重要性は一層高まっていると認識すべきである。債務残高の累増は、利払費の増加による財政の硬直化を招くと共に、将来世代の負担の増加を意味する。財政の持続可能性を確保するため、国・地方の債務残高の対GDP比の発散を止め(SANARI PATENT注:「上昇」「増大」でなく「発散」と呼んでいる)、安定的な引き下げが必要不可欠である。(SANARI PATENT考察: 過去の大阪府のように、地方公共団体の起債が規律度外視の傾向にあったと考える)。さらに第3に、「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保の中期プログラム」(2008-12-24閣議決定)を実行すべきである。
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