2009年6月17日水曜日

Agreement on Patent Procedure Highway Between Japan and Singapore

 日本・シンガポール特許庁間の特許審査ハイウエイ試行開始
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 新しい科学技術の発明で進歩性に富むものに特許権を付与し、排他権を与えて発明を奨励するという特許制度の必要性・有用性は各国とも認めて、それぞれの特許法に基づいて特許を付与しているが、内容が同一の発明については、一つの国で特許したらば他の国でも特許することとして、出願と審査の手間を省こうというのが、特許審査ハイウエイの基本的考え方である。

 2006年に、わが国は米国と、世界で初めて特許審査ハイウエイを開始し、既に、世界の特許出願の64%を占める主要8国の特許庁(米国、韓国、英国、ドイツ、デンマーク、フィンランド、ロシア、オーストリア)と特許審査ハイウエイの取組を行っている。

 このたび、シンガポールで開催された日シンガポール特許庁長官会合において両庁は、特許審査ハイウエイの試行を2009-07-01から開始することに合意した(2009-06-16)。シンガポールは、東南アジア地域では初めてのわが国との特許審査ハイウエイ締結国であり、これによって、それぞれの国の企業がより迅速・的確に発明を権利化するための特許審査ハイウエイの取組が、更に拡大されることになった。

 2002年の経済連携協定締結以降、日本とシンガポールとの経済的結びつきは益々強まっている。わが国特許庁は、企業活動を通じて創出される発明について、それぞれの国の企業がより迅速・的確に権利化できる環境の整備が、両国の経済関係を一層深めていく上で重要としている。

 一方シンガポールは現在、ASEAN諸国と審査結果を共有する取組(ASEAN特許審査プログラム)を進めている。この取組の中心であるシンガポールとの間で特許審査ハイウエイの取組を締結することにより、わが国で特許権を付与された発明については、審査内容がASEAN諸国で共有され、その結果、シンガポールのみならずASEAN諸国において早期に安定した特許権を取得できることが期待される。
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