2009年5月2日土曜日

China Compulsory Certification for IT Security 

ITセキュリティの中国強制認証制度に関する日中首脳会談結果
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 ITセキュリティ強制認証の問題が、日中首脳会談(2009-04-30)において、(1)中国における実施対象を、政府(国有企業)調達のIT製品に限定すること、(2)実施時期を1年延期して来年5月からとすることの2点が中国側から示されたことは、当面の解決として巧みなものと、SANARI PATENTは評価する。中国における政府調達の範囲は広く、日米欧連携して中国の再考を求める期間を設定したとも解されるからである。
 この件については朝日新聞の社説(2009-05-01)が最も的確に解説しているとSANARI PATENTは考えるので、以下に要約する。

1. ITセキュリティ製品を中国で製造したり、販売したりする企業に、技術情報の開示を義務づけようという「中国強制認証制度」(CCC)の適用問題は、ICカードリーダーなど13品目を対象とする。
2. この認証を得るためには、製品を制御するソースコード(ソフトの設計図)(SANARI PATENT注:Source Codeは、Computerに特定の作業を実行させるため必要な指示列で構成するプログラム)の開示を求められる可能性が大きい。マイクロソフトが基本ソフト「ウィンドウズ」のソースコードを機密情報にしているように、企業にとっては極めて重要な知的財産である。
3. 中国側は、CCCはComputer Virusの侵入などの防止を目的とし、既に2002年から家電製品やPCを対象として実施されており、今次案は対象品目の追加に過ぎないとしている。
4. しかし、情報セキュリティ製品についてこの制度を導入している国はほかになく、麻生首相が「貿易の障害」として撤回を求めたことは当然である。規制対象となった製品はCCC認証を取得しなければ中国内で販売できないが、対象となる日本製品の中国における売上高は1兆円という試算もあるほどで、実施されれば影響は大きい。

SANARI PATENT所見
 上記社説は、「中国市場力の輝きと脅威」という視点からCCC問題を対象としたが、中国から見て「日本市場力の輝きと脅威」の有無を、別途考えたい。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)

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