Korea’s Prominent Patent Attorney, KIM, HONG ASSOCIATES
韓国KIM特許事務所の金海中・代表弁理士が知的財産権判例新著
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 大学の新学部著増
韓国の特許事務所として著名なKIM, HONG & ASSOCIATESから、「韓国における知的財産権の判例」(金海中・洪淳雨両氏共著)を贈られた。東アジアでは、先日(2009-04-21)ロシアで開催された日露特許庁長官会合で特許審査ハイウェイの試行開始が合意されたが、韓国とは既に特許審査ハイウェイを開始し、両国審査の重複作業を削減して産業技術の発展に共進しつつあるが、その基盤をなすものは特許要件や明細書の記載要件に関する共通の認識である。
贈られた著作はこの意味で、日韓の特許権に関する認識を明確に照合するため極めて有益に構成されている。例えば、「人体を必須構成要件発明の産業上利用可能性」と題して、「所定のステップを特徴とするケラチン繊維の永久的形成方法」の特許性に関する特許法院の判決要旨を、「人体を必須構成要件とする発明、すなわち、ヒトの疾病を診断、治療、軽減し予防したり健康を増進させる医療行為に関する発明は、産業にに利用できる発明と言えないため特許の対象となることができないと言えるが、人体に行われる手術または医療行為に該当しない限り、産業上利用が可能であり、特許として保護を受けることができると言える」と下線要約し、かつ、コメントにおいて、「人体を必須構成要件としてはいるが、美容行為に該当すること」などにより、上記判決の要旨を支持している。
わが国内閣知財戦略本部でも、医療行為に関する特許性の検討が進行しているが、上記著作の記述はわが国における検討の現況と符号しているとSANARI PATENTは判断する。日韓双方にとっての共通の課題は、米国特許法が医療行為について特許付与を限定する規定を全く設けず、差止請求権の排除等をもって対人医療行為の人道的特質に対応していることと、いかに調和ないし整合させるかという問題である。
進歩性の判断は、日韓共通の基準に基づいており、米国の非自明性判断とも共通と言えるが、具体的に容易想到性の有無を判断する局面において、各国の特許庁と知財高裁との間にも見解が相違し、審決取消などの判例が集積されている。しかし、「事後的判断の禁止」に関する金海中氏著作の記述は、日米韓共通の認識であるとSANARI PATENTは考える。
その他、韓国における数多くの特許性判断基準が示されており、わが国産業人としても必読の書である。
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