2009年4月16日木曜日

Sustainability of Bio Fuel Reported by METI 

資源庁「バイオ燃料持続可能性研究会」報告書
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 化石燃料代替エネルギーとして、バイオ燃料の開発がグローバルに強調されたが、食料資源との競合、生態系への影響、原油価格の乱高下など、事業環境の変動に伴う問題点が多く、その持続可能性に関心が集中している。
 資源庁(担当:資源・燃料部政策課)の標記報告書(2009-04-14発表)は、この意味で極めて注目される。以下内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. わが国におけるバイオ燃料の持続可能性
  持続可能な方法でバイオ燃料を導入するために、早期に持続可能性基準を策定し運用することが重要であり、その具体的検討に当たっては海外の動向を踏まえつつも、わが国特有のバイオ燃料形態に即した検討が必要である。ここでは、GHG(温室効果ガス:Greenhouse Gas)排出、土地利用、食料競合、供給安定性、その他の5項目に分けて、わが国における基準策定に際しての重要事項を整理し、今後取組むべき課題を抽出する。先ずその概要を記す。

1-1 GHG排出について: ブラジルからのサトウキビ輸入、東南アジアからのキャッサバ輸入、国産エタノール(多収量米、稲藁・籾殻)について、それぞれGHG排出削減率を試算した。土地利用の変化に伴う排出についても、IPCC(気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change) ガイドライン等に準拠して算定した。その結果、EU指令と同レベルであるガソリン比35%削減の水準を満たすものは、一部のブラジルのサトウキビ(サバンナからの土地転換を除く)、一部の東南アジアのクアッサバ(草地および森林からの土地転換を除く)、一部の国産エタノール(残渣やリグニンを自家消費用燃料として活用したもの)に限られるという結果が得られた。

 バイオ燃料導入の政策主軸が温暖化対策である以上、同基準は重視すべきであり、今後は国産バイオ燃料、輸入バイオ燃料ともに実証データを収集・整理し、基準設定の検討や、制度運用を見据えた参考値の設定等を行う必要がある。土地利用の変化に伴うGHG排出についても重要視すべきであるが、基準年の設定方法や参考値の設定等については、国際的な基準と歩調を合わせつつも、わが国として最適な方法を検討し、国際的に主張してゆくことが必要である。

1-2(次回)
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