Integration of IP Resources Utilizing Innovation Organization
産業革新機構の活用による知的財産の集約
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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日立製作所の川村粒会長兼社長が、新設される産業革新機構の「公的資金による企業への資本増強支援」を、日立製作所本体には受け入れないが、子会社である半導体大手ノルネサンステクノロジーについては「検討段階だが、受け入れがあり得る」と、朝日新聞インタビュー(2009-04-28)に応答するなど、産業革新機構に対する関心が高まっている。「産業革新」の核心が「知的財産の集約」であることが国会審議における政府答弁で明確に示されているから、Pro-Open-Innovationの知的財産開発を進めている先端分野の経営者が、これを活用することは当然である。
そこで先ず成立(2009-04-22)した法文を考察する。産活法の第二章の次に、次の一章が加えられた。
第二章の二 株式会社産業革新機構(以下本稿では「産業革新機構」)による特定事業活動の支援等
第一節 総則
(機構の目的)
第三十条の二 産業革新機構は、最近における国際経済の構造的な変化に我が国産業が的確に対応するためには、自らの経営資源以外の有効な活用を通じた産業活動の革新が重要となっていることにかんがみ、特定事業活動に対し資金供給その他の支援等を行うことにより、我が国において特定事業活動を推進することを目的とする株式会社とする。
(数)
第三十条の三 産業革新機構は、一を限り、設立されるものとする。
(株式の政府保有)
第三十条の四 政府は、常時、産業革新機構が発行している株式(株主総会において決議することができる事項の全部について議決権を行使することができないものと定められた種類の株式を除く)の総数の二分の一以上に当たる数の株式を保有していなければならない。
(株式、社債及び借入金の認可等)
第三十条の五 産業革新機構は、会社法に規定する募集格式、募集新株予約権、募集社債を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
産業革新機構は、新株予約権の行使により株式を発行した後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
SANARI PATENT所見
今次金融危機を契機として、知的財産等の経営資源を集約することによりオープンイノベーションを達成しようとする企業に対して、公的資金による支援、特に出資による支援を行う機構を、株式会社の形態で設立する規定である。従って、産業革新機構の法的構成を先ず条文に即して把握すべきである。(以下次回)
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