2009年3月14日土曜日

Market Price as Key Factor for Rare Metal Recycle 

プラチナ・パラジウムは7割回収、レアアースは回収なし
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 レアメタルの世界消費量における日本の比重は、先端技術工業における比重を示す一つの指標と考えられる。日本で消費された金属は、製品・使用済製品・廃棄物として国内に相当量蓄積されていると推定され、リサイクル原料としての可能性があるが、蓄積されたもの全てがリサイクル可能ではない。都市鉱山の可採埋蔵量を把握すべきである。

4.(承前2009-03-13記事)レアメタルの埋蔵量・消費量・リサイクル状況
  資源エネルギー庁によれば、年間万トン単位で、
    埋蔵量 世界消費量 日本消費量
ニッケル  6,400 142   19.6
コバルト   700 5.5 1.4
タンタル  43,000 1,290 897
インジウム 2,800 351 211
(参考 銅)48,200 1,796 125

非鉄金属は回収・再生可能な資源であり、資源の安定供給確保のため、リサイクルシステムの確立が重要であるが、特に、資源の偏在が著しく、希少性が高いレアメタルについては、リサイクル原料は貴重な国内資源である。
 現在、銅、亜鉛、鉛、アルミなどのベースメタルに加え、レアメタルについてもリサイクル活動が行われているが、回収率向上のためには、リサイクル原料の安定的確保のシステムや、回収設備等の整備が課題である。
 多数の非鉄金属が様々な工業製品の原料として、多様な形態で利用されているので、使用済製品から効率的にリサイクルを進めるためには、高度の分離技術が必要である(下記%はサイクル率)。
4-1 ニッケル: 家電から一部回収され、ステンレス鋼・特殊鋼からは、ほぼ全量リサイクルされる。
4-2 コバルト: リチウム電池から58%、ニッケル水素電池から77%、特殊鋼からは鋼屑として回収される。
4-3 タングステン: 切削・研磨屑から40%。
4-4 モリブデン: 特殊鋼・鋼屑として回収。
4-5 タンタル: コンデンサ、光学レンズ、電子機器フィルタ等に使われるが、現在リサイクルなし。
4-6 プラチナ: 電気電子機器部品について貴金属として回収あり。触媒について70%以上リサイクル。
4-7 パラジウム: 電気電子機器部品について貴金属として回収あり。触媒について60%以上リサイクル。
4-8 リチウム: 電気電子用部品、二次電池、耐熱ガラスについてリサイクルなし。
4-9 インジウム: 使用済製品についてリサイクルなし。ITOターゲット(SANARI PATENT注:ITOは酸化インジウムスズ。液晶パネルや有機ELに多用)についてリサイクルあり。
4-10 レアアース: 光学レンズ、磁石に用いるがリサイクルなし。
4-11 アンチモン: TVブラウン管、合成樹脂に用いるがリサイクルmなし。

SANARI PATENT所見
 リサイクルには高度の技術開発を要すると共に、レアメタルの市場価格変動が影響を及ぼすから、価格との関連を資源エネルギー庁が示すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Rare Metal、Recycle、ITO、パラジウム、リチウム

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