2009年3月2日月曜日

Hedge Fund Study by Bank of Japan 

日銀のヘッジファンド論を再検討
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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「世界的な金融危機は、最悪の時期を脱したと考えている」というような発言(大和証券グル-プ鈴木茂晴社長)も見られるが、ここに至るまでに、今次金融危機に要因の一つとされたファンドwへの出資返還要求によるファンドwの破綻が数多く報道された。
 産業資金、特にベンチャー資金、知財開発資金供給源としてファンドwは資金供給源の多様化として期待され、経済産業省でも、ファンドw研究会が相次いで設置されて検討を深めている最中に、今次金融危機が急遽顕在化した。

 ここには上記検討の一つとして、日銀の「ヘッジファンドwの変遷と金融システムに及ぼす影響」(2007-12-21:日銀金融機構局・清水幸子・大手金融グル-プ担当総括)の内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. ヘッジファンドの特徴と破綻リスク: ヘッジファンドは、優勝劣敗が速やかに決するビジネスである。2004年の例では、年初に世界に存在していた単独ファンドwの5%が年末までには清算している。従って投資家は、特定のヘッジファンドへの集中投資は回避する。また、個々のファンドwへのエクスポージャーを時価評価した上で、ネッチング後の評価を行う(SANARI PATENT注:  ネッチングは、複数主体間で複数金融取引を行った場合に、債権債務相殺して差額決済すること)。また、高流動性資産を担保として差し入れさせ、常にエクスポージャーをカバーする(SANARI PATENT考察: これを投資家の健全性サイドで実行すればファンドwの資金流動性による機能は当然極限される)。

2. ヘッジファンドの変遷
2-1 1007-07アジア通貨危機: タイ・バーツの切り下げ後、韓国・香港・台湾など東アジア諸国、南米の新興市場に混乱がで伝播したが、この通貨危機において、ヘッジファンドが市場や経済に不安定化をもたらしたという見方が台頭した。
2-2 1998-08 ルーブル切り下げ: ロシア通貨切下げと対外債務支払猶予宣言を契機と」した「質への逃避」が生じた結果、市場流動性が枯渇し、高水準のレバレッジを有するLTCMが経営危機に直面した(SANARI PATENT注: 他人資本の使用による自己資本利益率の向上)。仮に同ファンドwが破綻した場合、取引相手が債権保全のため、無秩序かつ一斉にポジションの清算や担保売却に動くことで、市場環境の悪化に拍車がかかることが懸念されたが、NY連銀のイニシアチブのもと、LTCMの大口与信先(14先)による協調融資(36億ドル)が行われ、LTVMは破綻を免れた。
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Hedge Fund、日銀、ヘッジファンド、金融危機、ベンチャー、リスク 

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